
星ゆたか

The Big Blue
Avg 3.6
2023.9.1 スキューバダイビングのインストラクターであった両親の影響で。 十代からダイビングに接してきた リュック・ベッソン監督(59年仏出身)さんが。 長年の夢だった〈イルカに魅せられた潜水夫〉の物語を。 ジャック・マイヨール(:素潜り世界記録者:1927~2001)さんの協力を得て。 1987年から約9ヶ月間の仏・伊・米などで撮影された映画です。 88年版より長い169分の編集作品が2010年に再公開され、今回はその作品を鑑賞しました。 原題のフランスタイトル「Le Grand Bleu」は〔大いなる夢〕。〔青〕は海の色でもあり、〔希望〕の象徴。 リュック・ベッソン監督は。 同年代のジャン=ジャック・ベネックス、レオス・カラックスさんらの監督と共に。 その前世代の〈ヌーヴェル・ヴァーグ〉に続く流れとして。 〈ニューフレンチ・アクション・シネマ〉《新しい波》とも称されています。 出演はジャック役にジャン=マルク・バール(60年西独出身)さん。 どこかその才能があるにも関わらず、常に“不安げ”な表情の。 この時の容貌(27歳)も含めて映画の核心の出来!。後に監督業にも挑戦しているそうです。 彼のライバル、エンゾ役にジャン・レノ(48年モロッコ出身)さん。 94年の「レオン」(同監督)で大ブレーク。その後の活躍はお見事。 ジャックの恋人ジョアンナ役に、 ロザンナ・アークエット(59年米出身)さん。 内容は少し違うけど。 どこか「冒険者たち」(67:ロベール・アンリコ監督)のアラン・ドロンさんとリノ・バンチュラさんの間に入る。 ジョアナ・シムカスさんを彷彿させる感性でした。 ギリシャ神話に登場する{愛と美と性} を司る{ヴィーナス}といった所でしょうか。 映画とは違う実際の彼らに少し触れましょう。 ジャック・マイヨールさんは生まれはギリシャですが。 中国の上海在住の幼少期の時に、日本の佐賀・唐津を訪問してます。 20代には米マイアミに移住、水族館🐬などで働き、その後カイコス諸島(バハマの南東)で島民にエビ漁を教えたりして。 49歳の時に人類史上100mの素潜りに成功してます。 この映画のように若くして亡くなってはおらず。 62歳で女性編集者と再婚の時に「イルカと海に帰る日」を出版。 親日家で千葉県館山市(私の亡母の故郷)に別荘もあったという。95年のTBS.TVにも出演していますが。 ただ晩年は“うつ病”に悩まされ、2001年に自宅で首吊り自殺で亡くなってしまったとか。 傍らには、「グラン・ブルー」のビデオがあったという話です。 またエンゾ・マイボルカ(1931~2016)さんは。 1960―1988の28年間のフリーダイビングの数々の記録を塗り替えたパイオニアで。(1988年に101m) この映画については。 『ジャックは本人より美化され、エンゾは悪く書かれている』と発言。 ライバルにはジャックの他に。 ブラジル人のアメリゴ・サンタレッリさんらの名前も上げてます。 94年から96年に国民同盟党の議員として政治活動もしているそうです。 物語のジャックはギリシャの子供時代に、潜水夫の父を事故で亡くし。 大きな“喪失感”を抱え、イルカだけが“心の拠り所”だったという所や。 いつもどこか満たされない“心の隙間”を抱え、暗中模索し光明を見いだそうとする姿が。 世界の現代人にも共感を得ている所なのかも知れませんね。