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製作・監督・脚本フランク・キャプラによって製作された1946年のアメリカ映画 ・ ジョージという男は、いつも何処かでツキに見放され、逆境にばかり立ち向かう運命にあった。自分のミスでなく大金を失った彼は、全てに絶望して自殺を図る。ところが、12月の冷たい河に飛び降りようとしたときに、彼より先に一人の男が身を投げて助けてくれと叫んだ。あわてて助けたジョージに、男は、自分は見習い天使だと告げるが…。 ・ アカデミー賞では、盟友のウィリアム・ワイラー監督の「我等の生涯の最良の年」に阻まれ、無冠に終わり、公開後の興行成績も惨敗に終わった。しかし、いまでは常に映画ランキングの1位や上位に位置し、アメリカでは毎年クリスマスに放映され、映画を学ぶ時に最初に見せる映画にまでなっている。まさに、不朽の名作だ。 ・ フランク・キャプラ監督という人は、善人は必ず報われるといった、理想主義をとことん描いた監督で、この作品はその集大成と言ってもいいだろう。ツキに見放されながらも、人のために生きた主人公に、ちょっとした奇跡が起きるのは当たり前なのだ。ラストは読めるんだけど、それを想像しただけで泣きそうで、ラストには予想通りで泣いてるんだよね。 ・ イタリア出身の監督が描いたアメリカらしい夢のある映画だ。最近は、アメリカが地球を守ってやってるんだみたいなのが、アメリカらしい映画になっちゃってるけど、時代背景でこうもアメリカらしさに違いがあるから不思議だ。 ・ 誰もが感情移入してしまいそうな善人であるジョージを演じたのは、アメリカの良心と言われたジェームズ・ステュアート。この人のためにあるような役だ。映画史に残る悪役と言われるミスター・ポッターを演じたライオネル・バリモア。この時、病気で車イス無しでは生活できなかったというのに、これだけの演技を見せつけてくれたのは素晴らしい。 ・ 必要ない人間なんかいない。善人は必ず報われる。そういった人生への希望がこの映画にはある。不朽の名作って古くさいと勘違いしている人もいるかもしれないけど、朽ちることがないからそう呼ばれるのだ。文句なしに素晴らしい。映画って素晴らしい。人生って素晴らしい。
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