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Till

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4 years ago

2.5


Cargo

Movies ・ 2017

Avg 3.1

2013年に製作された同名の短編映画をもとにしたNetflixオリジナルのゾンビ映画。 ウイルスが蔓延した世界。アンディは妻のケイと生後間もない娘のロージーと3人で暮らしていた。しかしある日、ケイが感染者に噛まれ、ウイルスに感染してしまう。急いで病院に連れて行こうとするアンディだったが、途中で事故にあってしまい頓挫。結局彼もゾンビ化したケイに噛まれてしまう。自身がゾンビ化してしまうまでの48時間をタイムリミットに、アンディはロージーを託す相手を探す旅に出かけるが…。 一応ゾンビ(正確には感染者)が出てくる映画ではあるが、あまりハラハラドキドキする場面がない。そもそもゾンビが襲ってくるシーン自体が少ない。出てきたとしてもゆっくり歩くタイプだし、殴ったら死ぬという弱さ。一応スリリングなシークエンスも用意されているものの、そこでも人間が襲ってくるだけ。本作ではウイルスが蔓延しゾンビが大量発生した危機的状況下での「父と子の親子物語」という「人間ドラマ」が中心に描かれるので、ゾンビ映画ならではの「スリル」を味わいたい方は肩透かしを食らう羽目になるだろう。 また、7分の短編映画を100分超の長編映画にしただけあって全体的に“薄く引き伸ばした感”が否めない。元々の短編(本作の後に鑑賞)が「幼い子を守るためにとった父親のある行動」のアイデア一発で勝負した作品だったし、本作でもそこがクライマックスになるわけだが、そこに行きつくまでが退屈。大量のゾンビが集中的に現れる『ワールド・ウォーZ』みたいな視覚的な「驚き」もなければ、先述したように「スリル」もあまりない。ひたすら地味。いくら人間ドラマに重点が置かれているとはいえ、その両方を絶妙な具合に織り交ぜた『新感染』のような傑作もあるわけだし、もうちょっと緊迫感あるシーンがあってもよかったのでは。 ただ、そのラストの「ある行動」の部分も逆に短編版よりもかなり感動が薄れてしまっているように思える。父親の行動自体は同じなのだが、状況が異なるため、そこの違いからちょっとツッコミたいところがうまれてしまった。ここはネタバレを避けられないので後述する。 長編版を観るならば絶対にそっちを先に観て、その後で短編版を観た方がよいと思うが、個人的には短編版の方が断然出来がよかったと思います。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 【ネタバレ(短編版も含む)】 ラストでアンディは自我を失ってゾンビになってしまっても尚ロージーを背負って歩き続けられるように、口にマウスガードを入れ、手首を縛り、拾った内臓を枝に括り付けるという行動をとる。確かにこの新しい自己犠牲的行動自体は斬新だったし、感動的だったと思う。しかし、短編版ではそのとき「父と子」のみの絶対的孤立状況であったが、長編版ではプラスその場にトゥミという少女が存在してしまっている。いやこれだったら無理して歩き続けなくても最悪彼女に託すこともできるやん。確かに直前でトゥミが怪我をするけど、そこまで酷い怪我とも思えなかったし。ただ、一つ言っておきたいのは、たとえ目の前に内臓を吊しているからとはいえ、ゾンビの上に赤子を背負わせるのは十分危険な行為なのである。短編版では「父と子」の完全な孤立状況であったため、“それでも尚そうせざるを得ない理由”が明確だったが、この長編版ではトゥミという第三者が存在してしまっているので、それならアンディはロージーをトゥミに託し、内臓を目の前に吊した状態で逆方向に歩いたほうが安全なんじゃないか?となってしまう。このような別の選択肢が存在してしまっている時点でもうダメだと思うのだが。 短編版で「MY NAME IS RUSIE」とロージーのお腹に書いて名前を伝えるという感動的な場面もトゥミがいるので必然的に無くなってしまうし、トゥミが物語上必要ないとは言わないが、彼女の存在がラストの感動を阻害しているように思えて長編版では素直に感動できなかった。