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nacchi

nacchi

3 years ago

2.5


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Where the Wild Things Are

Movies ・ 2009

Avg 2.9

May 02, 2012.

世界中で愛されている絵本「かいじゅうたちのいるところ」を実写化したファンタジー・アドベンチャー。者モーリス・センダックたっての希望により、スパイク・ジョーンズが。センダックの絵本好き。かいじゅうたちはシリーズとしては結構長いんだよ。そんな映画の出来はというと、私は満足だけど、絵本知らない人には伝わらないだろうな。「それで何?」って言われそうな構成だった…。 父性を欠いた家庭で育った孤独な少年のマックス。マックスは友人が少ない。姉は社交的で友人たちと遊ぶのに忙しく、弟には関心を示さない。遊んで貰おうと、姉とその友人たちにいたずらを仕掛けるけど、本気で遊ぶには体力が違いすぎて、逆に怖い思いをしてしまう。そんなマックスを癒してくれる母も、ボーイフレンドの前ではマックスが邪魔になる。想像力豊かなマックスが、即席で母に作り話をするシーンがある。牙が折れて泣いているヴァンパイアが、初めは仲間たちから乳歯だからまた生えてくるよって励まされるのに、永久歯だったことがバレて仲間からはぶられるお話。発想は子供だけど、この子供はなんて切ないエンディングを思いつくのだろうか。マックスの想像力の豊かさと孤独を垣間見る瞬間だ。そして母と喧嘩をしたマックスは狼の着ぐるみを着て家を飛び出す。ふと気付くとボートに乗っていたマックスは、荒海を越え不思議な孤島に流れ着く。混沌の森、淋しげな砂漠、砂浜、怪獣たち。これはマックスの現実が投影された心象風景なんだろう。耐え難い状況に直面し、現実逃避したマックスは受け容れやすく変形させた虚構の居場所を創り上げた。マックスの痛みはおそらく誰しもが抱える問題で、さほど大きいものではない。自己顕示欲であり、悲しみの咆哮であり、破壊願望だ。そういった複雑な感情が実体化した存在がかいじゅうたち。彼らの関係性は入り乱れ、マックスを翻弄する。孤独な少年の心の奥底へ降り、荒ぶる魂を鎮めていく精神療法的な映画だ。成長譚ではなくて、愛情を渇望する少年が平穏を取り戻すまでの、繊細な心理をビジュアル化した映画だよ。