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こじま
star5.0
「全体主義の起源」のハンナ・アーレント。 自然・社会・人間の真理を論理で思考し明言・明文化する哲学の世界。 自分自身がホロコーストのド真ん中にいたにも関わらず、哲学者の倫理と使命でアイヒマンの裁判と対峙した物語で生き様と社会の真理への気付きが深い作品だった。 「思考すること」を人間の存在と帰結させ、師匠であり愛人だったハイデガーが葬った(黒いノートに)哲学者としての生き様へのアンチだったのか、社会からの誹謗中傷を真正面から受けてでも、たどり着いた真理を発表した晩年の生き様。映像で見ることで、感情移入が進んだ。 ナチスが生んだ「悪」の本質、まさにその「悪」は今でも、むしろ今さらに深く強く社会に蔓延しており、その意味ではハンナが講義した、ナチスが犯した悪は極めて重く暗い。 社会一般のパラダイムである「悪」との違いを理解させられず、誹謗中傷の波が押し寄せる様子そのものが、「悪」であり、とても皮肉だなぁと。もちろんハンナ自身はその皮肉をよくよく理解し、だからこそ蔓延っている「悪」の深さ・重さの深刻さをひしひしと体感しながら世論と戦ったのだろうと想像して。 ハンナの凄みは、評論で終わるのではなく、自身が説いた真理に誠実に、自らが「思考」を止めない人生を送り、其の姿でハイデガーから学び、上書きした人間存在を体現し続けて生涯を終えたこと。 まさに哲学者であり、その哲学の意思を後世の今の社会がまるで学習をせず、むしろ「悪」が深く重くなり続けていることを映像で感情移入することでより理解した。 深く、根源的な「善」を信じて、思考を止めない生き様をしょうと決意をあらたに。
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