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アメリカ、ニューヨークにあるラテン系移民の町、ワシントンハイツで暮らす人々を描いたミュージカル映画。 個人的に、ラテン系音楽のミュージカルを初めて観たので、新鮮に感じて楽しかったです。ラテン系の皆さんの、あのダンスの上手さはなんなんでしょうね(笑)。もちろんトップレベルが集まっているのでしょうが、なかなかこの映像を表現できる民族は、他にないのではないでしょうか。 と、この「ラテン系=ダンスが上手い」というのも、一種のキャラ付けというか、差別や偏見に繋がりそうな危険な考えかもしれませんね。劇中でも、ラテン系移民の抱える差別・貧困・不法移民等の諸問題が扱われています。陽気で悩みなんか無い様に見えても、その実多くの問題を抱えているということが、映画の全体的な構図として描かれているのだと思います。 印象に残った曲・シーンは、やはり停電の場面と終盤の「旗を掲げろ!」の場面ですかね。停電の前後での登場人物たちの心情の変化は、この映画最大の見所かもしれません。それから、「旗を掲げろ!」のところは個人的にホロリときたシーンでした。彼ら移民者が母国の旗に抱く思いというのは、単一民族の中で当たり前に母国で暮らす私には抱けないものだと思います。 そういった具合で、歌やダンスが楽しいとか、ヴァネッサが超美人だとかの表層の楽しみ方もできれば、そこからひとつ深い層を掘ってみても楽しめる様になっている映画だと思います。ミュージカル映画が苦手な人には合わないとは思いますが、それ以外の方は是非映画館へ!
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