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2019年122本目は今月特に猛ラッシュを振るっているインド映画ブームに乗じて公開されています、『パドマーワト』。 女性を主人公に描かれる一代記になっており、衣装・美術の美しさやそれらが完璧な形で映える圧巻の舞踏シーンなど、インド映画ならではの魅力は今作でも多分に発揮されています。原作は数百年前の古典であり、その中で自らの尊厳を振りかざし「ある決断」をした王妃パドマーワトは今でも敬意の対象なんだとか。 ところがその「決断」が非常に見るものを困惑させる内容になってまして、私なんかはハッキリと胸糞の悪いシーンだと思いました。冒頭にも「行為を推奨する意図はない」なんて警告が出てますけど、少なくとも作り手はこの行為が「正しい」と思って本作を世に出してるわけですよね。 インド国内でも暴動が起きて公開が1年遅れたそうですが、フェミニズムの気運高まる時流にそぐわない展開からしても、ちょっと「時代遅れ」な感は否めずノレなかったです。後は単純に決着をいとも簡単につけられそうなのに正義側が「信念に反する!」の一点張りで戦いを持ち越し、三時間はあまりに長いです。インド映画としては正直、珍しくパワーを感じない一作でした。
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