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オーストラリアの兄弟監督マイケル・スピエリッグとピーター・スピエリッグが監督・脚本を務めた2008年公開のSFホラー。 人類の大半がヴァンパイアと化したディストピアな世界観が非常に新鮮ですし、ゾンビ映画のように主人公が一方的に逃げ惑うのではなくそもそも主人公自身もそのヴァンパイアの一人であるという設定も面白いと思いました。そしてこれらをさらに引き立てる硬質で冷たい画作りも非常に印象的ですね。中盤以降はこの設定が何重にも展開していきますし、同時に過激なバイオレンス描写も生々しく描写されます。劇中何度も登場する”血液をグラスで飲む”シーンは生理的に気持ち悪くなりますのでご注意を。そして極め付けはクライマックス!これぞ地獄絵面と言うべき集団大殺戮シーンが本作の冷たい画の中で描かれるあの不気味なクライマックスは本作の一番の見所です。 ヴァンパイアを扱ったこれまでの作品には無かった数々の斬新な設定を取り入れた本作は、結果それらとは全く異なる印象の作品に仕上がっていると思います。イーサン・ホークの起用も新鮮ですが、それにより本作のドラマ的な見応えもグッと増していると思います。 終盤であの人がヴァンパイア集団に食い殺されるシーンで、首を喰いちぎられた後でも目が少し動くんですよねー。悪趣味ですよねー。
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