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ピート・ドクターとボブ・ピーターソンが監督を務めた、2009年公開の冒険ファンタジー。 妻に先立たれた主人公のカールが、偶然居合わせた少年ラッセルと共に”パラダイスの滝”を目指し冒険の旅へ出る様子を描いた本作は、第82回アカデミー賞にて「作曲賞」と「長編アニメ映画賞」の2部門を受賞した作品とのこと。先日発表された第93回アカデミー賞で見事「長編アニメ映画賞」を受賞した『ソウルフル・ワールド』を観ようと思いまして、その際にこれまで未見だった『インサイド・ヘッド』と、小学4年の頃に観て以来10年以上も観直していなかった本作を予習として観てみました。ピート・ドクターの初監督作『モンスターズ・インク』は未だにテレビでもよく放映していますし、昔から好きでよく観ていましたが、こと本作に関しては少年期の自分にはあまりピンと来なかったと言いますか、やはり『モンスターズ・インク』『トイ・ストーリー』『ファインディング・ニモ』などと比べると明らかに地味ですし、キッズの心を躍らせるタイプの作品ではないですよね。ただ今回観直してみて本当に良かったです。まず主人公カールと妻エリーの半生をサイレント映画のように端的に描いたあの冒頭からもうホロリと来てしまいますね。本作はこの場面のみならず、全編通して無駄のない映画的な見せ方が徹底されており、隅から隅まで工夫が凝らされた映像演出だけでも大いに唸らされます。もちろん本筋の冒険パートもスリリングで楽しいですし、キャラクター同士の関係性や立ち位置も非常に考え抜かれています。全てにおいてあっぱれの手際、やっぱピクサーって強ぇぇ。 十数年振りに観ると見方も受け取り方もまるで違いましたし、個人的には非常に興味深い体験となりました。『ワンダヴィジョン』配信をきっかけに自分もDisney+に入会しましたし(だってあんなの入るしかないじゃないか)、これから過去のピクサー作品も改めて観直していこうかと思います。 自分が今一番観なければいけないのは『カーズ』ですかね。何しろ小学1年生の頃に劇場で観て以来全く観ていませんから。もはやほとんど記憶が無い。次は「『カーズ』シリーズイッキ観」というミッションを自分に課します。
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