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Schindler's Memo

Schindler's Memo

6 years ago

2.0


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Certified Copy

Movies ・ 2010

Avg 3.4

この映画は、全編、題名の「贋作」というテーマを執拗に繰り返しているといっても良いと思う。 まず、ジュリエット・ビノシュ演ずる「彼女」であるが、名前がまずは無い。この女性が果たして「本物」なのか、「贋作」なのか。 ギャラリーを経営していて、息子がいる中年女性・・・。きわめてリアルに提示される。 ところがこの女性は、イギリス人作家と1日付き合ううちに、作家のファンである女性、息子がいる母親、長年連れ添った妻、なぜか諍いをお互いに持っている妻、安ホテルで新婚を過ごした思い出をもつ妻、そして娼婦・・と少しずつ変遷してゆく。果たして、ジュリエット・ビノシュが本当にそこにいるのかどうかも怪しくなる。もし、いるとすれば、相当な「女優」がいるといっても良い。 つまりは、「妻」の「贋作」であるということか。 そう思ってしまうと、講演に寄った土地で、易々と単独で会いに行く・・という、違和感ある行動が解せてくる。 こうした「分析」を観客に強要し、本来、俳優に「演技」をつけて表出される「映画」と言うメディアに、「演技する夫婦」をドキュメンタリー的に追った演出をする・・ということが、果たして映画なのか?という疑問が湧いてくる。 面白い映画の類では全くないし、老いて(この表現しかない)おばさん化したジュリエット・ビノシュを延々と見せられ、身につまされる嫌なセリフを散々聞かされ、かといってアヴァンギャルド的な先鋭性を持つか?と言われればそうでもない。 甚だ疲れ、それと共に退屈な映画だった。