2019年260本目はフランスの名女優イザベル・ユペールが狂気に囚われた女を演じるサイコスリラー、『グレタ』。 ------------------------------------------------------------ 確かにイザベル・ユペールの存在感で持ってるところはある一本で、ストーリーはこの手のスリラーとしてあまりに平凡ではないかと思います。唯一、普通は男が女性に対して変質的行為におよぶ姿をネットリと描いていくのに対し、今回は女性同士の歪な関係に焦点が当てられています。とはいってもグレタの｢愛情｣は決してセクシュアルなものではなく、孤独を埋めるための病的依存であるだけに同情心を掻き立て、尚更タチが悪いのです。 ------------------------------------------------------------ でもバッグを拾いました、って言ってクロエ・グレース・モレッツが家にやって来たら皆さんどうですか？そうですよね、もうその瞬間から虜になること間違いなし。既にクロエ・モレッツも23歳の大人びた女性になってまして、『キックアス』から10年も経ってるとは驚きです。あどけなさを残しつつもセクシーな色気すら放っていて、この子の進化は留まるところを知りませんね。毎回言ってますけど彼女の出演作は彼女自身が最大の見どころです。 ------------------------------------------------------------ ところが『イットフォローズ』で絶叫ヒロインを演じ、本作ではルームメイト役で出演しているマイカ・モンローが実はMVP級の非常に強い印象を残してまして、クロエ・モレッツとは真逆のクールな女性像がめちゃくちゃ光ってます。この映画、３人の女性以外は登場人物もゼロに等しいんですけれど、三者三様の個性が作品に見事な色を沿えており、私としてはそれだけで大満足でした。