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The Darjeeling Limited
Avg 3.5
Jan 29, 2022.
ウェス・アンダーソンが監督・共同脚本を務めた、2007年公開のロードムービー。 ウェス・アンダーソンの長編5作目となる本作では、疎遠となっていた3兄弟が家族の絆を取り戻すべく珍道中を繰り広げていく様子が描かれます。これも結構面白かった!「数年ぶりに再会を果たした家族が口論やいがみ合いを繰り返しながらも徐々に関係性を修復していく話」という意味では前々作『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』が一番連想し易いですが、よくよく考えてみればウェス・アンダーソン作品では毎回大なり小なり「家族間のいざこざ」が描かれてもいますし、本作の場合は物語のスケール感や独特な緩急の付け方、ラストの爽快感などからもむしろ『ライフ・アクアティック』に近い味わいを感じました。少なくとも予告編から受け取れるような「ちょっぴり可笑しな感動のロード・ムービー」的な印象とはまるで違い、どちらかと言えば「ちょっぴり気品と感動が増したハングオーバー」ですよね。公開順はこちらの方が先なので正しくはあちらを「下ネタとバイオレンスで塗り固めたダージリン急行」と言うべきなのかも知れませんが、どちらにせよ「とある事情により再会した男達の自由気ままなヘンテコ珍道中」的なプロットや「トラブルの全貌はあえて見せない」という構成など類似する点はかなり多いです。また恒例の「愕然とするような展開を突如として、それも必然性もなく盛り込んでくる」歪な作劇やクライマックスの畳み掛け感も今回はより勢いを増しており、最後には得も言われぬ爽快感と高揚感を味わいました。 あと良かったのは、オーウェン・ウィルソン、ジェイソン・シュワルツマンと並び主演を務めたエイドリアン・ブロディ!本作からアンダーソン作品の常連となりましたがそれも大いに納得です。善人役にしろ悪人役にしろ彼が映ることで画的にもピリッと酸味が増すような感じがして、これによりオーウェン・ウィルソンのような対照的なスタイルを持つ役者の演技もより引き立っているように思います。また本作は舞台がインドという事もあるのか、ジェイソン・シュワルツマン演じるジャックが終始ジョージ・ハリスンに見えて仕方なかったです。ただそのおかげで、常連俳優を主演に迎えた手堅い人選であるにも関わらず、3人が同一画面に収まる時にはちゃんと新鮮さや異色感も伝わってきました。ただ前述したようにこうした心地良いバランスは何せ『ライフ・アクアティック』があったからだと私は思いますし、その分本作の作りからはどこか心のゆとりや余裕も感じますね。という事で、個人的には本作も十二分に満足出来ました。オ〜 シャンデリーゼ〜♫ Disney+のウェス・アンダーソン作品取り揃え率が異常に高くて今回めちゃくちゃ助かりました。ただ未だ吹替用字幕の有無がまちまちなのはかなり不満ですね。