Pain and Glory
Dolor y gloria
2019 · Drama · Spain, France
1h 53m
(C)El Deseo.



Salvador Mallo, a filmmaker in the twilight of his career, reflects on the choices he's made in life as past and present come crashing down around him.
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ジュネ
4.5
2020年90本目は、スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督が自身の体験を交えながら描く『ペイン・アンド・グローリー』。 ------------------------------------------------------------ 監督が自らの人生や体験を自伝的に描くことは初めてではありませんが、今回はその色合いがいつも以上に濃かったように思います。幼少期の暮らしぶりや聖歌隊への加入を強制された思い出はそのままですし、背骨の手術を経験した時にはもう映画を撮れないだろうと考えたそうです。同性愛者であることをカミングアウトしている点については、今さら触れるまでもないでしょう。 ------------------------------------------------------------ 本作は様々な境界線が溶け合って1つになっていく映画で、人生の奥深さや機微を心ゆくまで味わい尽くすことができます。心も体もボロボロに傷ついた主人公が何とか前へ進もうとする姿には自然と勇気づけられますし、タイトルの冠する通り、「痛み」と「喜び」を繰り返しながら生きていくことの意味を教えられます。 ------------------------------------------------------------ 劇中ではサルバドールが過去を何度も回想しますけど、決して全てが良い思い出ではありません。それでも彼はかつての自分と向き合うことで、現在を見つめ直すことができました。これも必要な作業だったわけですね。 また、サルバドールは自らの「現実」に起こった物語を映画や舞台といった「作品」を通じて語り直そうとしますが、アルモドバル監督もまた本作を通じて自らを語り直す…という入れ子構造になっています。「映画を描く映画」が大好きな私としては、現実とも虚構ともつかない浮遊感がたまらず、今回も幸福感でいっぱいでした。 ------------------------------------------------------------ 苦しみと喜び、過去と現在、虚構と現実…最初はぶつかり合うだけだった「人生の彩り」が、最後には混じりあって綺麗な1色の色になる。そんな美しい絵画を見ている感覚に襲われる珠玉の一本です。
Izumi
5.0
マーブル紙を作る工程だろうか、オープニングクレジットからアルモドバルの世界に没入する至福。そのインクの織りなす色の数々は、登場人物たちの衣装や主人公の部屋の現代絵画の極彩色とあいまって、主人公の記憶の彩りを象徴しているよう。 アルモドバルの作品になくてはならない強くてしたたかでそして美しい「母」への深い尊敬と慈しみ、また、身体のよじれるほど狂おしい恋の哀しみ。痛みを持って過去に対峙し、膿を出し、そして赦し合う。年月を経たからこその、再生の道筋。 現代と過去を自在に行き来し、そしてラストシーンに行き着いた時、まるでその映画を創造する過程を見せられていたような錯覚を覚える、にくい作り。 アントニオ・バンデラスは「私が、生きる肌」ではあまりにギラギラしていて辟易したけど、今回は静謐な哀しみや愛情を細やかに演じて本当に素晴らしかった。 あ〜〜〜アルモドバル、やっぱり大好き!!!
wishgiver
5.0
完全に作品の世界に没入できた至福。 スペインの名匠ペドロ・アルモドバル監督の自伝的ストーリーを巧みな構成と、本作でオスカーにノミネートされたアントニオ・バンデラスの魂の演技で魅せる傑作。 風景はもちろん、主人公サルバドールの美術館のような家も何もかもが芸術的な画に釘付け。 そして徐々にその世界に身を委ねていく映画ならではの感覚を与えてくれました。 おそらく家で観たらまた全然違った感想になったで あろう、映画館で観てこその作品。 自分の映画観を確実に拡げてくれました。 映画好きな人にぜひ映画館で観てほしい!! 2020.6.24@イオンシネマ鈴鹿
toa
3.5
色彩。カット。監督の芸術センスが溢れてた。 特に台所の描写にアートと生活感の生々しさがあって好き。 ストーリーは帰郷よりもウェットな質感。 パッケージの「スペイン版ニューシネマパラダイス」は違う気がするなぁ。似たエッセンスもあるけど、思想が全然違うと感じた。それぞれに違う良さがある。 アントニオ・バンデラスがハリウッド作品で観るキャッチーなキャラと違って、円熟した厚みのあるいい役だった。対話相手によって自然と目の表情が変わる繊細な演技がみれた。 あと監督の撮るペネロペ・クルスが相変わらず美しい。
ツァラトゥストラハカク語リキ
3.5
「愛だけで愛する人を幸せに出来るわけじゃない」 * * スペイン人映画監督の自伝的映画。 ペイン・アンド・グローリーのタイトル通り、苦しい過去があって、彼の映画は出来上がったのだろうと思う。 * * しかし、今の彼は幼少期以上に苦しんでいる。
Taul
4.0
『ペイン・アンド・グローリー』鑑賞。カットをかけてほしくなかった。そんないつまでも見ていたい人生が続いていくような映画。アルモドバルは自伝的に母なる郷愁と愛の記憶を描く。それも単なる再現ドラマにしない矜恃とユーモア。そしてなんて美しい映像なのだろう。赤と人で織りなすアート、眼福。 『ペイン・アンド・グローリー』アルモドバルが撮ると美術館のような自宅はもちろん病院、洞窟、人体図、薬の調合でさえアートに。一番の魅力はアントニオ・バンデラス。その枯れ芸と優しく燃える黒い瞳に吸いこまれそう。監督の心の中まで体現してるかのよう。ペネロペ・クルスはもはやアイコンだ。
星ゆたか
4.0
2022.1 スペインの有名な映画監督・ペドロ・アルモドバルの自伝的ドラマ。 彼の作品は、振り返ってみると比較的見ているのですが、系統的に内容をというより、一つの物語として別々に見ていたので、今回の映画も、一人の映画作家の過去を振り返っての、未来への再生ドラマとしての映画。そこに深く感動しました。 物語の内容は、旧作映画の再評価がきっかけで始まり、未発表作品の戯曲の舞台化で、若かりし頃の同性の恋人と再会し、その破局の原因でもある麻薬の苦悩を、いま自分が繰り返していることに気づき、断切ることに。 また少年の頃、性の目覚めのエピソードを象徴するスケッチ画とも、何十年ぶりかに巡りあい、作家の芸術志向に新たな命を吹きこまれることになる。 表現者にとって最も大切なのは作品だから、芸術の中にこそ人生の真実が宿る。という2つの大きな脚本構成(戯曲・絵画)からも、見られることではないかと思う。そして最後に(映画)の製作という要素も加えて全体を包括する。 いつものようにこの監督の色彩感覚に魅了されつつ、出演俳優の見事なアンサンブルに取り込まれました。 特にアントニオ・バンデラスの、母親や元恋人に対する眼差しの演技には脱帽です。彼はこの数年前に心臓を患い、主人公 の体の痛みを抱えながら創作を再発見するその変化を、繊細な演技で見せることができたと話している。 最後に、監督・アルモドバルの言葉。 “僕という人間は、直接には描かなかったものの中に見つかる”
cocoa
4.0
スペインの名匠ペドロ・アルモドバル監督の自伝的映画。 彼の作品ではお馴染みのアントニオ・バンデラスを主人公に、ペネロペ・クルスやセシリア・ロスの共演も納得のキャスティング。 世界的に認められていた映画監督サルバドール(アントニオ・バンデラス)は長い間、脊椎の痛みに悩まされ「ただ生きている」状態だった。 いつの間にかヘロインに依存する中で過去の自分を思い出し、これまでの人生を振り返る…そんなストーリーです。 サルバドールの子ども時代、母ハシンダ(ペネロペ・クルス)と暮らしたバレンシアの洞窟の家の思い出。 義母からも村からも逃れてやって来た家は地上ではなく洞窟の家で、最初はショックを受けていた母ハシンダ。 でも少しずつ手入れをして植物も植え、壁に装飾をしたり素敵な住まいになります。 若い職人のエドゥアルドにサルバドールが字や四則計算を教える代わりに漆喰や水回りの手入れをしてもらう交渉をする母の姿にはあっぱれ。 そんな回想シーンと現在の様子を交えながら物語は進みます。 サルバドールの現在のマドリードの住まいはまるで美術館のように素晴らしかった。 壁の絵画、赤いキッチン、緑色やえんじ色のソファー、そしてカラフルな小物ツールなど。 アルモドバル自身の使っている家具や衣装をふんだんに使って撮影したとか。 色が有りすぎてごちゃごちゃしてしまう心配もなく、やはりスペインの独特な明るい風土に合っているんだろうな。 出演する配役の衣装の色使いも良かった。 緑色の革ジャンなんて、バンデラス似合いすぎ。 若い時に愛したフェデリコとの再会も何だかジーンと来ました。 フェデリコに「街で会ったら分かるか?」と聞かれ、「見つめ合ったら分かる」と答えるサルバドール。 年を重ねた男性同士のキスにもまったく嫌悪感はないです。 特にバンデラスは年をとったこの頃が一番好きだな~。 慈しみ深い優しい眼差し。 かつて愛したフェデリコにも、晩年の母ハシンダにも向けられるその眼差しが何とも言えなかった。 脊椎だけでなく様々な痛みや不調と闘うサルバドールをそばで支える女友達メルセデスの存在も大きかった。 また執筆に向かう姿を喜ぶメルセデス。 そして何と言ってもラストシーンが好き。 「カット!」の合図でハシンダが子どものサルバドールに手を伸ばす…何でもないシーンだけど満足感でいっぱいでした。
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