Luce

2019 ・ Drama/Mystery ・ USA

Average ★3.5 (169)

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Overview

Luce
2019 · USA · Drama
1h 49m

A star athlete and top student, Luce's idealized image is challenged by one of his teachers when his unsettling views on political violence come to light, putting a strain on family bonds while igniting intense debates on race and identity.

Cast/Crew

Rating Graph

Avg ★3.5
(169)

Comment

30+

ジュネ
4.5
2020年78本目は、同名の戯曲を原作に、底の知れない優等生が巻き起こす顛末を描く『ルース・エドガー』。 ------------------------------------------------------------ 周囲から押し付けられた理想を演じきることに嫌気がさしているルースと、マイノリティに対して常に完璧であることを求めるウィルソンの対立を主軸に映画は進んでいきますが、これまで白人と黒人の間で描かれてきた｢先入観｣や｢偏見｣にまつわる議論が、本作では何故か｢黒人同士｣の間で激化していきます。 ------------------------------------------------------------ ウィルソンもかつてはルースのように自由や平等を求めた時代があったのかもしれません。しかし今の彼女にとってルースの行動や発言は青臭い理想論にすぎず、その自由や平等すらも白人によって作られる｢まがい物｣に過ぎないわけです。この２人の間には同じく支配される側の不満がありながら、生きてきた時代によってまるで捉え方が違う、｢世代間格差｣という大きな壁が横たわっています。 ------------------------------------------------------------ 一方、両者を支配してきた側の白人であるルースの母親エイミーにとって、息子を理想的な人間像に仕立てあげたのは、それこそ奴隷制の時代から続く｢有色人種の教化｣という歴史の繰り返しに過ぎません。ところが本作では２人を｢血の繋がらない親子｣として描くことで、単なる支配・被支配では済まされない愛憎渦巻く関係性に仕立てています。 ------------------------------------------------------------ きっかけは｢ルースの提出したレポート｣それだけだったのに、三者三様の視点から見ることで全く違う物語が顔を覗かせ、アメリカ社会が根差す構造の問題を鋭くえぐってみせます。最初から最後まで見ている側に考える余地を与え続け一時も気が休まることはありませんが、本年度屈指の魅力を放つ傑作です。
100
Inosuke
1.5
ウィルソン先生宅に、黒人への差別的落書きをしたのは、江角マキコの元マネジャーじゃね？ま、しょうもない冗談はさておき、最後まで白黒をはっきりさせない展開が個人的には肌に合わず、退屈なサスペンス映画に感じられましたね。この程度の疑惑で、優等生の黒人青年ルースを恐ろしい怪物と決めつけてしまうのは少し乱暴かと。結局、光〈ルース〉あるところに影がある、ちゅうことを言いたかっただけではないのか？🤔
90
たつや
4.0
「様々な社会問題を内包する、重厚な青春サスペンスドラマ」周囲から様々な希望や期待・思惑を担がされる優秀な高校生ルース(ケルヴィン・ハリソンJr.)。そうした状況にひそかに窮屈な思いをしている優等生が、何者かであろうと苦しみもがき、翻弄する青春ドラマです。ルースに対してあるきっかけから周囲が一抹の不信感を抱き、そこから「彼はどんな人間なのか」ということを探っていく様子は、もはやサスペンスホラー的ですらあります。本来の自分と周囲が思う自分とのギャップに苦悩する普遍的な若者を中心に置きながら、そこには人種差別や政治的主張など様々な問題が同時に根を張っているという多層ぶりで、ほんとに一筋縄ではいかない作品です。～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～主人公はエリトリアの紛争地帯からアメリカの夫婦に養子に来て、その際に本名の発音の難しさから「ルース(光)」というアメリカ名を授かったという背景があります。祖国も本名すらも失われた彼は、「ルース」という新たな人格・人生に必死でしがみつくことが“生き延びること”とイコールだったんだと思います。そのことへの悔しさや虚無感と同時に、彼が間違いなくアメリカでもらった新しいしあわせや人生、そして「ルース(光)」という名前にふさわしい人間に本当になれているのか自問自答することになるスピーチの練習シーンは圧巻です。誰もいない会場だからこそとめどなく溢れ出た涙。今作で唯一、彼が彼そのものであった場面だったように思います。～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ひとは他人を型にはめて見てしまうことを、本作ではルースの正体をめぐるサスペンス描写を通して描いています。そしてそれは観客の「こういう登場人物だからこうだろう」というリテラシーをも“リテラシーという名の類型化・単純化”ではないかと揺さぶられているかのようです。うーむ、試されている...笑～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～主演のケルヴィン・ハリソンJr.やオクタヴィア・スペンサー、ナオミ・ワッツをはじめ、キャスト陣がみんな素晴らしかったです。あと、ルースが恋人に選んだのがアジア系(黒人以上に差別を受けている)の女の子であるというところにも、彼のコンプレックスや根深い闇を感じました。重厚な社会派青春サスペンスドラマ(長い)として、がっつりのし掛かる傑作だと思います！ 2020年日本公開。もともと舞台作品だった今作を「クローバーフィールド・パラドックス」などのジュリアス・オナ監督が映画化。彼はルースと同じくアフリカ系アメリカ人だそうです。主演は「WAVES」も公開中のケルヴィン・ハリソンJr.。
70

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