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    star4.0
    長編映画初監督となるガース・デイヴィスがノンフィクション本『25年目の「ただいま」5歳で迷子になった僕と家族の物語』を映画化した2016年のオーストラリア映画 ・ 広大なインドで5歳で迷子になった少年がオーストラリアに養子として引き取られ、20年以上の時を経て実の家族を探す物語 ・ 想像して欲しい 子供の頃に迷子になった時を 世界に独り取り残された感覚 それが25年続くとしたら… これは実話を基にした物語 ・ 原作を基にした邦題で結末から内容までなんとなく分かっちゃう作品なんだよね それでも役者の演技力と真実の持つ力でちゃんと魅せてくれてます 観れば分かるけど「LION」ってタイトルだけの方がよかったかな エンディング後のシーンは卑怯だなあ あんなの泣くわ! ・ 「スラムドッグ$ミリオネア」のデーヴ・パテールも立派な俳優になってて、主人公のサルーを演じている。2人の母親を持つ複雑な心境を好演 オーストラリアの母親を演じたニコール・キッドマンの演技はさらにすごい。母親は強い生き物なのだって感じる演技。それにしても歳をとっていい女優さんになったなあ オーディションで見出されたサルーの子供時代の子役かわいすぎ! ・ 映画の前半で目の当たりにしたインドの現実 孤児が年間何万人もいるという現実 この物語は何万分の1の奇跡 奇跡が起きなかった子達を思うと辛いけど このかけがえのない1つの奇跡を 素直に感動しようじゃないか
    440
    どうしてタイトルが「ライオン」なのか。それがエンドクレジットで初めてわかったとき、またさらにグッと来てしまった。 25年前に主人公がどうやってたどり着くのか、現代に過去をコラージュ風に入れ込んだような、もっとミステリー仕立てなのかと思ってた。でも(よくありがちな)そんな凝った作りではなくて、主人公の幼い頃の、なぜそうなったのかが時系列でとても丁寧に描かれる。 でもたしかにこれは話としては彼の「25年ぶりのただいま」なんだけど、本当の主題は、いつか帰ると信じて待ち続けた母と、自分の知らない過去を背負った子どもにひたすら愛情を注ぎ続ける養母という2人の母と、その2人の母を心から愛する息子の愛の物語なんだな。息子を演じるデヴ・パテルの抑制の効いた演技がとてもいい。「マリーゴールドホテル」の陽気ではっちゃけた彼との何という違いよ! 途中で出てくる赤い揚げ菓子の効果が素晴らしい。その色彩が、封印していた幼い頃への思慕を解き放つ。特典映像のインタビューで、幼い頃の記憶は心の中の宝箱にしまっておいたみたいなことをご本人が言っているけれど、まさにそのお菓子がその箱を開けたんだね。幼い頃、食べたくても貧しくて買えなかった、このお菓子。いったいどんな味がするのかな。
    300
    主人公の心情の描写が丁寧な、骨太のドキュメンタリー映画。 主人公・サルーが貧しくも兄を慕っていた幼少期から、迷子になる過程、オーストラリアに養子に入る過程までとても丁寧に描かれている。その分、故郷の家族への思いや、それとオーストラリアの家族との間にある、心の葛藤に重みがある。また特に、慕っていた兄グドゥへの思いが、多用されているフラッシュバックを通して次々と心に刺さってくるような、そんな気持ちになる。 加えて、インドの実情のジャーナリズムがこの映画の重みをとても増しているところ。年に8万人もの子供が家族と生き別れになっている事実は、この映画の随所に描かれるシーンでそのリアリティが伝わってくる。エンドにまとめられたその事実や実際の写真・映像、映画タイトルの所以で、他の映画にない重みのある締めになっている。 反面、養子の全てを受け入れたスーの人物描写がもっと欲しかった。もう1人の主人公とも言える、難しい心情の登場人物だったので。2時間の映画ではこれが限界なんだろうけど。 比較対照が芸術的なのがこの映画の密かな側面。とにかく貧困&困難の連続だった幼少期から、20〜何年後には、PCのグーグルマップで故郷を探す環境になるのだから。それが事実である事がスゴイ。 総じて、これは文句なしの“心揺さぶられる”映画。久しぶりにいい映画を見た気分!
    270