かわうそ3.0推理小説が元ですので、殺人があり推理をしトリックを見破るという前提があるのですが、この作品においてはそこは割とどうでも良く。 作品の中の空気や雰囲気を楽しむ映画になっているかと思います。 江戸川乱歩のエロティックそしてグロテスクな、女性の美しさを愛でる映画だと思っています。 横溝正史がこの作品を書くようにお願いした、というのもまた堪らない裏話ではないでしょうか。Like4Comment0
dreamer3.0昭和初期。本格探偵小説作家を自称する寒川(あおい輝彦)は、小山田静子(香川美子)という美しい婦人と知り合いになる。 彼女は寒川の小説のファンだというのだ。 それがきっかけで交際の始まった二人だが、ある日寒川は、静子から昔つきあっていたが、後に別れた男が、今は猟奇的な作風で知られる作家の大江春泥になり、彼女に昔の恨みをはらさんと、脅迫状を送ってきたとの相談を受けた。 彼女を心配する寒川は、大江春泥の行方を探るがわからない。 大江はもともと人嫌いで、編集者とも手紙を介してしか連絡をとっていなかったというのだ。 今度は静子の元に、静子の夫を殺害するという手紙が大江春泥からやってきた--------。 この映画が公開された頃、角川映画の「犬神家の一族」が大ヒットし、横溝ブームの真っただ中だった。 「東宝が横溝正史なら松竹は江戸川乱歩だ!」という、実にイージーな動機で作られたのが、この映画だった。 実際、あまりヒットすることはなく、江戸川乱歩はその後、映画化されることはなく、後の「八つ墓村」の大ヒットを迎えることになるのだが。 最初観た時、あまり面白くなかった記憶があったが、今回も、観直しても、やはりあまり面白くない。 第一にテンポがだるすぎる。 原作は、文庫本で100ページぐらいの中編だが、この映画は約2時間ある。 そんなボリュームはないよ、この原作には。 だから、映画としてのオリジナルのエピソードが加えられているかと思ったら、原作には割と忠実でしたね。 川津祐介が殺害されるシーンが増えたぐらいかな。 このテンポのだるさは、やはり加藤泰監督のテンポなのだろう。 そして、肝心の謎解きだが、最後に20分ぐらい、あおい輝彦が話しているだけで、誠にわかりにくい。 今回、原作を読んでから観たので、私はわかっていたが、初めて見た時は、よくわからなかった覚えがある。 ここは、あおい輝彦が謎解きをしながら、説明用のインサートカットを入れて欲しかったなと思う。 もっとも、それでは市川崑の演出技法になってしまうからと避けたのかも知れませんが。 そして原作では、寒川はいったん真犯人の罠に掛かって、別の人間を犯人と断定する。 しかしその後、屋根裏に残されていた手袋のボタンが無くなっていた日を知って、自分の誤りに気づく、という2重の面白さがある。 ところがこの映画は、長いにも関わらず、この1回目の推理は省略され、1回で真相にたどり着いてしまうのだ。 それは、やはりないと思う。 江戸川乱歩の面白さが半減してしまいますからね。 しかし、悪口ばかり書きましたが、この映画に魅力がないかと言うとそんなことはない。 SMがモチーフになるのだが、囲碁の石を打つパチン、パチンという音が、鞭の音へと変わっていく効果は、非常に印象に残りましたね。 そしてラストシークエンス。 「あなたと二人で過ごすための部屋」といって静子は、寒川をある土蔵の二階に連れて行く。 この部屋が真紅の壁、カーペットという異様な部屋。 この映像的なセンスは、やはり加藤泰だろう。 事件が全て終わって、寒川が謎を解き明かした後、この土蔵の階段を降りて足下から、徐々にあおい輝彦が消えていくシーンも印象に残りましたね。 全体としてはあまり面白くなかったが、一部の描写では、非常に印象に残った映画でしたね。Like3Comment0
しじらみ4.0脅迫状の詳細を話すと照明がどんどん暗くなり、女の顔は殊更強調され、男が吐き出した煙草の煙が空気を覆う。 階段の使い方や遮蔽物による画面の区切り方に加藤泰印があるのだろうかなんて思ったり。Like1Comment0
ひでP3.52024年10月11日BS260BS松竹東急 よる8銀座シネマ。 原作、江戸川乱歩原作の『陰獣』。 本格派推理小説家による殺人事件の謎ときを描く。 脚本、加藤泰、仲倉重郎の共同。 監督、加藤泰。 出演、川津祐介、あおい輝彦、大友柳太朗、香山美子、若山富三郎、加賀まりこ、倍賞美津子、中山仁、野際陽子。 探偵作家寒川(あおい輝彦)にさりげなく近づいた女、静子(香山美子)。 彼女のうなじにはエロチックな赤いミミズ腫れがあった。 静子は大江春泥から脅迫されているという。 昭和3年、寒川は怪奇幻想が売りの変格派春泥を軽蔑し批判の文章も書いていた。 春泥は静子の初恋相手だったが、ふられた腹いせに復讐を宣告してきた。 脅迫状には静子と夫の夜の秘事まで観察した記録があり、闇に潜む陰獣のような眼に静子は恐れおののいていた。 そして第二の脅迫状が届き、予告通り、静子の夫六郎(大友柳太朗)が隅田川に溺死体が上がった。Be the first one to like!Comment0
邊見 猛
5.0
This may contain spoiler!!
かわうそ
3.0
推理小説が元ですので、殺人があり推理をしトリックを見破るという前提があるのですが、この作品においてはそこは割とどうでも良く。 作品の中の空気や雰囲気を楽しむ映画になっているかと思います。 江戸川乱歩のエロティックそしてグロテスクな、女性の美しさを愛でる映画だと思っています。 横溝正史がこの作品を書くようにお願いした、というのもまた堪らない裏話ではないでしょうか。
dreamer
3.0
昭和初期。本格探偵小説作家を自称する寒川(あおい輝彦)は、小山田静子(香川美子)という美しい婦人と知り合いになる。 彼女は寒川の小説のファンだというのだ。 それがきっかけで交際の始まった二人だが、ある日寒川は、静子から昔つきあっていたが、後に別れた男が、今は猟奇的な作風で知られる作家の大江春泥になり、彼女に昔の恨みをはらさんと、脅迫状を送ってきたとの相談を受けた。 彼女を心配する寒川は、大江春泥の行方を探るがわからない。 大江はもともと人嫌いで、編集者とも手紙を介してしか連絡をとっていなかったというのだ。 今度は静子の元に、静子の夫を殺害するという手紙が大江春泥からやってきた--------。 この映画が公開された頃、角川映画の「犬神家の一族」が大ヒットし、横溝ブームの真っただ中だった。 「東宝が横溝正史なら松竹は江戸川乱歩だ!」という、実にイージーな動機で作られたのが、この映画だった。 実際、あまりヒットすることはなく、江戸川乱歩はその後、映画化されることはなく、後の「八つ墓村」の大ヒットを迎えることになるのだが。 最初観た時、あまり面白くなかった記憶があったが、今回も、観直しても、やはりあまり面白くない。 第一にテンポがだるすぎる。 原作は、文庫本で100ページぐらいの中編だが、この映画は約2時間ある。 そんなボリュームはないよ、この原作には。 だから、映画としてのオリジナルのエピソードが加えられているかと思ったら、原作には割と忠実でしたね。 川津祐介が殺害されるシーンが増えたぐらいかな。 このテンポのだるさは、やはり加藤泰監督のテンポなのだろう。 そして、肝心の謎解きだが、最後に20分ぐらい、あおい輝彦が話しているだけで、誠にわかりにくい。 今回、原作を読んでから観たので、私はわかっていたが、初めて見た時は、よくわからなかった覚えがある。 ここは、あおい輝彦が謎解きをしながら、説明用のインサートカットを入れて欲しかったなと思う。 もっとも、それでは市川崑の演出技法になってしまうからと避けたのかも知れませんが。 そして原作では、寒川はいったん真犯人の罠に掛かって、別の人間を犯人と断定する。 しかしその後、屋根裏に残されていた手袋のボタンが無くなっていた日を知って、自分の誤りに気づく、という2重の面白さがある。 ところがこの映画は、長いにも関わらず、この1回目の推理は省略され、1回で真相にたどり着いてしまうのだ。 それは、やはりないと思う。 江戸川乱歩の面白さが半減してしまいますからね。 しかし、悪口ばかり書きましたが、この映画に魅力がないかと言うとそんなことはない。 SMがモチーフになるのだが、囲碁の石を打つパチン、パチンという音が、鞭の音へと変わっていく効果は、非常に印象に残りましたね。 そしてラストシークエンス。 「あなたと二人で過ごすための部屋」といって静子は、寒川をある土蔵の二階に連れて行く。 この部屋が真紅の壁、カーペットという異様な部屋。 この映像的なセンスは、やはり加藤泰だろう。 事件が全て終わって、寒川が謎を解き明かした後、この土蔵の階段を降りて足下から、徐々にあおい輝彦が消えていくシーンも印象に残りましたね。 全体としてはあまり面白くなかったが、一部の描写では、非常に印象に残った映画でしたね。
うにゃ
2.5
This may contain spoiler!!
しじらみ
4.0
脅迫状の詳細を話すと照明がどんどん暗くなり、女の顔は殊更強調され、男が吐き出した煙草の煙が空気を覆う。 階段の使い方や遮蔽物による画面の区切り方に加藤泰印があるのだろうかなんて思ったり。
ꕤKyokoꕤ
2.0
2010/7/19
NARU
2.5
江戸川乱歩のエログロを上手く表現している。ストーリーはダメだけど。
ひでP
3.5
2024年10月11日BS260BS松竹東急 よる8銀座シネマ。 原作、江戸川乱歩原作の『陰獣』。 本格派推理小説家による殺人事件の謎ときを描く。 脚本、加藤泰、仲倉重郎の共同。 監督、加藤泰。 出演、川津祐介、あおい輝彦、大友柳太朗、香山美子、若山富三郎、加賀まりこ、倍賞美津子、中山仁、野際陽子。 探偵作家寒川(あおい輝彦)にさりげなく近づいた女、静子(香山美子)。 彼女のうなじにはエロチックな赤いミミズ腫れがあった。 静子は大江春泥から脅迫されているという。 昭和3年、寒川は怪奇幻想が売りの変格派春泥を軽蔑し批判の文章も書いていた。 春泥は静子の初恋相手だったが、ふられた腹いせに復讐を宣告してきた。 脅迫状には静子と夫の夜の秘事まで観察した記録があり、闇に潜む陰獣のような眼に静子は恐れおののいていた。 そして第二の脅迫状が届き、予告通り、静子の夫六郎(大友柳太朗)が隅田川に溺死体が上がった。
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