山あいの村で、夫のロルジェ、ロルジェの父と暮らすウォマ。 病院である事実を告げられたウォマは、聖地ラサへの五体投地での巡礼旅に、一人で行くと決意する。 半年以上もかかる巡礼の旅に、初めは反対していたロルジェだが、ウォマの固い決意にラサ巡礼を受け入れる。しかし妻の決意にはある秘密があった。 旅に出た妻を追ってくる夫。そして妻の実家に預けられ、心を閉ざしていた前夫との息子もやってきた。 後悔、嫉妬、わだかまりを抱えながらも、少しずつ結びついていく三人。 しかし、そんなある日、ウォマがついに倒れてしまう…。（公式HPより） ♢♢♢ まず何より五体投地での巡礼の過酷さに息をのみます。 功徳を積むための苦行ですが、それにしても想像を絶する描写は生涯忘れられないでしょう。 そして圧倒的なチベットの風景と、自動車が道々を行き交うギャップ。 知らない世界に触れた驚きと、その信仰の深さ、ひたむきさに胸が締めつけられました。 チベット仏教への潔い帰依心にこちらまで浄化された感じ。 観られて良かった。 （2020.3.20@伊勢新富座）

何も前情報なく観賞。 劇的な展開はなく、一定した温度で続く物語。知らない習慣や文化がある。チベットの人たちにとって大事なものはなんなのか。それを見つめ続けることが映画になる。 あまりにも、道のりを丁寧に描写していくので、いつまでも続く映画のように思える。そんな中でそこで終わるのかという潔さ。