Happy Together

これもずっと観たかった映画。色彩が鮮やかで、ウォン・カーウァイ映画は全体的にそうだけれど、この映画は南米が舞台だということを色彩で意識させられたような気がする。流れていく男たちが、愛しあっていてもいっしょにいると傷つけてしまう感じ、性別は関係なくよくわかる。見たかった景色の中にお互いがいないのは、とても悲しい。

この映画のせいで、私はLGBT映画にどっぷり浸かるはめになりました。 同性愛なんて興味もなく、気にもとめていなかったし、若干の踏み込んではいけない感を持っていた十代半ばに、たまたまトニーレオンにハマって彼の出演作品を見れるだけ片っ端から観ていた末、たどり着いたのがここです。 前半の男同士の絡みの衝撃と、男女の愛を描いた作品と何ら変わりのない物語に、私の価値観は180度変わりました。 作品の作り自体、今まで観たことのないもので、見終わったあとのあのトキメキと、この映画で完璧骨抜きになったレスリーチャンの死の衝撃…。 色んな意味で忘れられない、そんな特別な映画です。 そしてこの映画を観なければ、後に「ブロークバックマウンテン」という名作を知ることも出来なかったかも知れない…と思うともはや恩人ならぬ恩映画かもしれません。 関係ないけどそういえば、ヒースレジャーの死もブロークバック～の鑑賞後に知って同じようにショックを受けたっけ…。 あと、happy together は最高です。

1シーン1カットどこで切り取っても美しい。 色彩の使い方。何を見てどう感じればこの様な色彩の使い方が出来るのだろう…。 おこがましい意見だが、正直羨ましい。 同性間の激しい愛情のストーリーなので、正に今の時代に上映すれば良いのに。 キャストがイケメン揃いでお洒落な作品。 レスリー・チャンのヒモ系役駄目駄目役のハマりっぷり。 同性異性には関わらず、面倒くさい系激しい恋愛。「あーぁ…やったなぁ」と駄目出ししながら観るのも面白い。 「欲望の翼」「花様年華」との間に勝手に想像したストーリーを挟み込んでみるのも面白そう