
YOU

光る眼
平均 2.7
2021年11月08日に見ました。
ジョン・カーペンターが監督を務めた、1995年公開のSFホラー。 ジョン・ウィンダムによるSF小説『呪われた村』を1960年制作『未知空間の恐怖/光る眼』に次いで映画化した本作では、カリフォルニア州にある海沿いの小さな村・ミドウィッチで起こった奇怪な事件が描かれます。第16回ゴールデンラズベリー賞では「ワーストリメイク賞」にノミネートされてしまったそうで、確かに90年代当時の主流と比べれば明らかに古臭く感じる作品なのは否めません。またこの頃はカーペンター自身のキャリア低迷期とも重なっており、更には”終盤のアレ”が不幸にも公開9日前に起きたオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件をもろに想起させる描写だったりと、作品本来の質に対して「何かと分が悪い一作」とは言えると思います。ただ個人的には作品全体の”地味さ”こそが、カーペンターの力量を効果的に際立たせている本作の大きな美点という風に感じました。加えて本作は恐怖の対象が「子供」という点や事態を即物的に捉える演出・画作りなど諸々含め、全体的に70年代映画的な印象を受けます。派手な展開が最後の最後まで温存されている感じも70年代風味ですよね。欲を言えば私は作品の締めも70年代っぽく一瞬で幕を下ろして欲しかったです。あの爆破風景のままエンドクレジットが静かに流れ出したら最高だったのになぁ。 また本作ではオリジナル版からの変更点としてフェミニズム的観点が導入されており、カーペンターが作品に刻んだ問題意識は悲しいかな26年経った今も全く古びていない、どころか、今やこれが映画業界的には「先見の明・時代の先取り」になってしまっているというこの皮肉な結果。カーペンターは一体どこまで見据えていたのでしょうか。クリストファー・リーヴの演技トーンもこの地味な作風にもの凄くハマっていますし、子供達の冷徹で無機質な佇まいからは常に不穏な空気が漂います。SFホラー映画としても、90年代アメリカ映画としても、ジョン・カーペンター監督作としても「地味な作品」というレッテルを貼られている本作ですが、私はこれ凄ぇ好きです。これぞ隠れた名作! キッチンのシーン、嫌だわぁ。