レビュー
mai

mai

5 years ago

5.0


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人生はビギナーズ

映画 ・ 2010

平均 3.3

父親の死を悼み、母を想う心優しい青年が一人の女性と一歩踏み出す静かなお話。 パターソンが好きな方はきっと好きです。 『乗り越える力』とか『希望』とかそう言う言葉で無理矢理主人公を前に前に追い立てるのではなく、 ちゃんと父の死を悲しみ、父の人生に想いを馳せる。その描写がとても丁寧な映画だと思います。 監督の実体験に基づく映画だと言う事なので、その気持ちが反映されているのだと思います。 いつまでも悲しんだっていいじゃないですか。 折に触れて思い出して泣いたっていいと思います。 そうやって丁寧になぞる事でしか癒されない悲しみもあります。 親を『親』と言う記号で見るのではなく、一人の人間として想いを馳せた事が私は今まであったかな。 監督の前作20センチュリー・ウーマンでも、母親と息子の関係性はただの『親子』ではなく、人間同士だったなぁと。 ちょっとヒリヒリするぐらいちゃんとぶつかり合ってたなと思います。恥も愛も含め。 今作でも、お洒落な写真と静かなモノローグと共に、父と母を、その人生をしっかり見つめています。 主人公はシャイだけど弱くはない。 落書きだってするし、好きな女性の為にはニューヨークにだって行く。 仕事でもどんなに言われても最後まで流行りの肖像画は描かなかった。 とても強い人だと思いました。