レビュー
2019年183本目は『カメラを止めるな!』で一世を風靡した上田慎一郎監督が参加した、『イソップの思うつぼ』。 -------------------------------------------------- 上田監督単独の作品ではなく、3人いる監督のうちの一人という位置付けですが、3人とも『カメ止め』の参加クリエイターであり、本作の構想は数年前から存在していたわけですから実質的には『カメラを止めるな!ザ・ビギニング』と言うのが正しいでしょう。 -------------------------------------------------- 両者を比較するなというのは正直無理なくらいで、前半何てことないドラマが展開していたのに、後半からまさかの急転直下を迎える構造は相変わらずです。しかも今回は前半から意図的な演出・伏線と思しきシーンを散りばめるなどサスペンス色が強く、観客の期待を嫌でも高める作りになっています。 -------------------------------------------------- 作風としてはかなり内田けんじ監督作に近く、ほとんど後だしジャンケンに近いため納得感は感じられませんが、3人の個性が異なるヒロイン像のおかげもあり手頃に楽しめるBムービー。ただ、どちらかと言えばアットホームであった前作とは異なり、ラストに待つのは「救いのなさ」「後味の悪さ」で、上田組にはそぐわない気がします。 -------------------------------------------------- 今後過剰に「どんでん返し」に期待を寄せると、上田監督が「和製M・ナイト・シャマラン」と化して才能を潰されてしまいますので、皆さん(私も含め)温かい目で次回作を見守って頂きたいですね。
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