レビュー
2019年247本目は歌手が本業の山崎まさよしを主人公に起用、横山秀夫の原作を映画化したサスペンス『影踏み』。大胆なネタバレになるため、見ていない方はその点を踏まえて一読下さい。 ------------------------------------------------------------ 山崎まさよしをわざわざ主役の俳優として起用した意義はよく分からないんですけど、俳優としての出演が初めてではないからでしょうか、あからさまに「酷い」という程では無かったです。しかし、刑事役として出演している竹原ピストルが棒読みだわ滑舌悪いわで、一流俳優陣と共演させるのは可哀想だと思いました。本作、彼のナレーションから話がスタートするんですけど、冒頭の掴みとしては最悪でしょう。何でわざわざ地雷を一番大事な最初に爆発させるのかなと。 ------------------------------------------------------------ あと原作とどの程度違うか分からないんですけど、主人公が「泥棒を続けている理由」が全くピンと来ない。一応過去に悲痛な経験があることは発覚しますが、それが全然主人公のせいじゃないし、むしろ彼は被害者なんですね。だから何に罪の意識を感じてんのか、犯罪続けて何の復讐になんのか、本筋となるポイントに共感が抱けません。あと、北村匠海が実は◯◯って(ほとんど隠す意味ない)ネタが途中でいきなり明かされて、あっけにとられました。 ------------------------------------------------------------ この設定、小説では冒頭にすぐ明かされているんですが、映画ではそれを真ん中に持ってきたことで非常にバランスが悪くなっています。そんなスピリチュアルな話を1時間経ってからされても観客はついていけません。劇中で起こる事件そのものも、主人公が過去のトラウマを克服して前向きに歩いていくパートと何にも関連性がなく、全体的に脚本がグチャグチャで飲み込み辛いことの連続です。
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