レビュー
これぞ韓国ノワールという作品。日本では到底作れないと思う。 まず、凄まじい暴力描写である。象徴的なのが「斧」だ。鈍い打撃音と迸る血液が、観ているこちらの顔を歪ませる。 基本的に、拳銃などという飛び道具みたいなカラッとしたアイテムは使用しない。包丁、斧、金属棒、何か動物の大腿骨・・といった、拷問系の道具が主である。 さらに、景気良く車を壊す。この点は凄い。 ハリウッドのカー・チェイスに代表される、サーカスみたいな遊戯的なものでは全くない。極めて即物的に、ぶつける、壊す、変形させるの連続・・、非常にリアルなアクションであり、中に乗っている役者の頚椎捻挫を本気で心配させる。 また、前作「チェイサー」でみせた、警察、検察の泥仕合のような側面が殆どない。殺し屋とその依頼主との関係のみに終始し、警察は主人公のアクションへの導入だけに利用される。これには理由があって、殺し屋と依頼主は複数存在し、その依頼系統も入り組んでいるからだ。 そして、オチである。 おいおいそんなことかよと思うのだが、考えてみれば一貫性がある。主人公も含めて、それぞれ男の嫉妬・・・、しかも思い込みなのだ、つまるところ。
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