ドウェイン・ジョンソンがギリシア神話の英雄、ヘラクレスを演じたアクション映画です。 神話に詳しい方であればご存じの通り、ヘラクレスは数々の偉業を成し遂げるため、ヒドラやライオンやケルベロスと死闘を繰り広げました。予告編でもふんだんにその映像が使われているため、こっちとしては一体どんな「怪獣VSザ・ロック」が見られるのだろう、と期待していたわけです。 ところが本作はそんな観客の期待をよそに盛大な肩透かしを食らわせる問題作で、なぜここまで誰も得しない話運びに歪曲したのか、首をかしげるばかりです。これでは別段、主人公がヘラクレスでなくてはならない理由などどこにもありませんし、この時代このキャラクターを利用して生み出すことができたはずのメリットを完全に放棄しています。 主人公の周りを彩る個性的なサブキャラやチーム感、力で敵をねじ伏せるザ・ロック本来の格闘スタイルを用いたアクションなど、見所がそれなりにあるだけに非常にもったいなく感じられます。