レビュー
レインコートを着たチャンベールが「Hip To Be Square」をバックにノリノリで斧を振り回し、レトをブチ殺すシーンが有名。 ヤッピーを演じ、社会に溶け込みながらも日々、殺人衝動に駆られるサイコパスの苦悩を描きつつ、無関心や事なかれ主義、いわば「社会的サイコパス」に対する痛烈な皮肉が込められた作品。 登場人物は会食ばかりで、まるで働いている様子のないアホなボンボンばかり。下ネタ、ホモネタに、風刺の効いたブラックジョークが飛び交うコメディに近い作風で、殺人シーンもグロさはなく、低予算ホラーを意識したようなつくり。シュールかつチープなエログロシーンはどこか微笑ましさを感じる。全裸チェーンソーでの追いかけっこは爆笑間違いなし。 ベールの目は完全にイっており、サイコパス特有のKYさや、キレたら何をしでかすか分からない恐ろしさを見事に醸し出している。 社会派にありがちなねちっこさはなく、随所で流れる軽快な80sポップスが非常に爽やかで気軽に楽しめる名作。
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