レビュー
cocoa

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2 years ago

4.0


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CLOSE/クロース

映画 ・ 2022

平均 3.7

原題の「Close」は「近い」という意味。 その他、「そばに」とか「親しい間柄」の意味もある。 ベルギーの田舎町。 13歳のレオとレミはいつも一緒に過ごしている。 家族ぐるみで仲が良く、レミの部屋に泊まることも多い。 中学が始まり不安もある中、相変わらず一緒にいるレオとレミ。 女子生徒に「カップルなの?」と聞かれ、その後からレミに対してそっけない態度をとるレオ。 そして2人の関係は悲しいものとなった…そんなストーリー。 ジャケ写真でも印象的だがレオを演じたエデン・ダンブリンの中性的な魅力。 大きな瞳でレミを見つめたり、様々な表情を見せてくれる。 レミ役のグスタフ・ドゥ・ワエルも優しそうでかわいい。 花き農家のレオの広い花畑を無邪気に走り回ったり、納屋に隠れたり、そんな子ども時代は期間限定なのかもしれない。 中学が始まり、不安も感じるなか、自然と2人は一緒に過ごす。 「いつもくっついている」とか「オトコオンナ」とからかわれるレオは自然とレミを遠ざけるようになる。 オオボエを演奏するレミの姿を自分のことのように誇らしく思っている様子なのに、学校では周りの目が気になるレオ。 避けられて悲しむレミは涙する…。 レミの身に起きた悲しい出来事。 とにかく詳しい台詞はなくても、レオやレミの家族、クラスメートや先生の様子でわかる。 この辺の描き方はとてもうまいと思った。 忘れるようにアイスホッケーの練習に没頭するレオだが、夜尿になったり心の内は不安定になる。 学校のカウンセリング…(つまり心のケア)の場では何も話さず、周りがレミの事をわかった風に言うのを聞いて怒り、席を離れる。 レオが骨折して治療する時に初めて泣くが、それは怪我の痛みよりも心の痛みからだろう。 いつもそばにいたレミに会いたい気持ちが何とも言えなかった。 レミの母親ソフィに事情を聞かれても「わからない」と答えていたけど、やっと最後にソフィの職場を訪ねて、車の中で初めて話す言葉。 「僕のせいだ」「僕が避けてしまった」とレオ。 ソフィの悲しみが強く伝わり、それでもレオを受け止める偉大な母親の姿が辛かった。 子どもが大人になる過程で、時に残酷になる時がある。 仲の良かった親友同士でも小さな事が理由で疎遠になったりする。 それはお互いに濃い関係だったら余計に修正が難しい。 単なるクラスメートだったらそうならないのに…。 レミの家族は引っ越してしまい、レオはこれから本当の意味でレミ不在の毎日を過ごすのだろう。 咲き誇る花畑を走るレオの後ろにレミはいないのだな…。 全体的にヒリヒリした痛みを感じ、成長期の苦しみを一緒に感じられる秀作でした。