レビュー
メトロ・ゴールドウィン・メイヤーのミュージカル第一作目となった、ハリー・ボーモント監督による1929年のアメリカ映画 ・ 第2回アカデミー賞で作品賞を受賞した ・ 歌手のエディは自作曲の“ブロードウェイ・メロディー”を引っ提げ、サンフィールドのショウに大いに売り込む。そして、成功した彼を頼って、マホーニー姉妹がNYへやって来る。はじめは妹のクィニーだけが採用されるが、姉のハンクは持ち前の粘りでサンフィールドに食い下がり、役を得るが…。 ・ 1929年といったらサイレント映画からトーキー映画に移行していた時代だ。初期のトーキー映画はミュージカルが主流だった。ミュージカルといったらメトロ・ゴールドウィン・メイヤーだ。そんなMGMによるミュージカル第一作目で、世界初のトーキーによるミュージカル映画であり、トーキー映画初のオスカー受賞作となったのが、この「ブロードウェイ・メロディー」だ。 ・ ドラマパートからレビューシーンという展開は、後のミュージカル映画に受け継がれていった王道パターンだ。正直、物語は安っぽいし古くさい。でも、それは当たり前。古くさくなるほど昔の作品なんだから。映像だって誉められたものじゃない。カメラワークは最悪だ。トーキー映画のカメラに誰も対応できていないのだ。 ・ サイレント時代から活躍していたハンク役のベッシー・ラヴとクィニー役のアニタ・ペイジ。サイレント時代の俳優の多くは、トーキーに対応できずに消えていった。この2人は生き残った俳優だ。ただ、脇役が人材不足で素人ばかりなので、レビューシーンなど出来がひどい。まあそれも時代を感じるポイントだろう。 ・ 手放しに誉められるような作品ではないが、観ていて感じるものはある。トーキーという新しい時代を感じさせる雰囲気や、ミュージカル映画の歴史の1ページ目を観れるんだから贅沢だ。ここから始まったのだ。映画を観て歴史を感じるだなんて、素敵なことだと思いませんか?
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