レビュー
「月に囚われた男」の監督としても、故デヴィッド・ボウイ氏の息子としても知られるダンカン・ジョーンズ監督作品です。 近未来のベルリンが舞台。 クラブで働くバーテンのレオ(アレクサンダー・ストラスガルト)は声帯を失い喋ることができない。 同じクラブで働く恋人ナディーラが行方不明になり必死に探すが裏社会の人物が邪魔をする……そんなストーリー。 画面に映るシーンはまさにブレードランナーのよう。 地面を走る車もあるが空飛ぶ車も行き交う混沌とした近未来の雰囲気。 デリバリーも空から届くし、町中に電子スクリーンが乱立していて面白い。 (しかし、徹底的に近未来じゃないところもツボ) レオはアーミッシュ育ちなのか両親の育て方も特殊で子ども時代の事故で声帯を失う。 信仰により手術をしなかったのです。 喋れない設定をアレクサンダー・スカルスガルドがどんな演技をするのか興味深かったけど違和感なし。 (音声入力には困っていたけど) 反対にカクタス・ビル(ポール・ラッド)はお喋りしっぱなしの役どころで対比がすごい。 アメリカ軍の脱走兵を探すベルリンの設定は今一つわからないけど、イラク戦争に派遣され絆の強いカクタスとダックのコンビは最後まで話を撹乱させる。 カクタスは娘を可愛がり、ダックは小児性愛の医師。 レオの恋人が殺されたのもカクタスと娘を奪い合ったからかな。 クラブの裏社会の事情もよくわからないけど、レオが窮地の中でカクタスとやり合う湖のダイブシーンは見所でした。 ダックに勝手に手術されたレオの声帯、「変な声」と言われるけど、最後は少し希望も感じられる終わり方でした。 身長の高いアレクサンダー・スカルスガルドはちょっと猫背で首を傾げながら歩く役作り。 アーミッシュだから服のセンスも古く、ボトム丈が短いのもそう。 でも話せない役でもしっかり演じきっていて好印象でした。 それでも近未来感はだんだんショボくなるし、ストーリーは今一つ。 頑張れ、ダンカン・ジョーンズ!
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