
コウキマン
4 years ago

生きる
平均 3.8
2022.2.6.012 ネタバレあり 市民の声を聞く市民課の課長である渡邊。市民の声を聞くと言ったものの、本当に聞くだけで「その問題は他の課に言ってください」とたらい回し。渡邊はじめ職員も役所全体もそう言った空気感。下手に行動しないことが、この職場で生き残り出世する道だった。そんなある日、渡邊は胃ガンで余命幾ばくもないことを宣告される(医者は宣告してないが、本人にはわかっていた)。絶望しているところ、息子夫婦が自分を疎ましく思っていることが分かり、さらに絶望。 そこから飲み屋で知り合った男と豪遊したり、元部下の若い女の子と遊んだりして気を紛らす。そんな中、元部下に言われた言葉にハッとさせられ、かねてより市民の要望であった公園を造ることに注力する。 さらにネタバレ。 そこからいきなり彼の葬式の場面。あれ?彼の仕事ぶりには触れないの?と思っていると、彼の同僚たちが回想する形で、仕事ぶりが明らかになっていく。はじめは「公園ができたのは渡邊の手柄ではない」と皆で否定していたものの、話していくうちに評価を改めていく。「俺たちもやるぞ!」と一念発起したものの、人はそう簡単には変わらない。なんという皮肉。 “生きる”ということについて考えさせられる作品。ただ日々を送ることも“生きる”ですが、この映画の主題は当然ながらそれではないでしょう。残された僅かな時間を、どのように使うか。病魔蝕む身体を引きずりながら、目をギラリと輝かせ働く姿に、静かな迫力を感じました。 渡邊の情熱は職場には根付きませんでしたが、彼が造った公園は子供たちの声に満ちているのでした。渡邊の命の火は、消えてしまったのでなく、“燃やし尽くした”といった印象。“生きる”とは、そうゆうことなのかも