レビュー
2019年83本目はDCユニバース最新作であり、歴代でも全米での批評家ウケは過去最高、興業収入も止まらぬ勢いの『シャザム!』です。 シャザムという言葉は様々な神様の頭文字を繋いだものなんですが(わかりやすく言えばSMAPみたいな)、シャザム自体の歴史が相当に長く非常に愛されたキャラクターですから、アメリカ人にとってはほとんど「チチンプイプイ」と同義の「魔法を発動する言葉」として定着しています。サム・ライミ版の『スパイダーマン』でもピーターがなかなか糸を出せず、「どうしたらいいんだ!?シャザム!」って言ってるのもそのためです。 今回の『シャザム!』はコメディ要素が非常に大きいどころか、「ユーモアを下敷きにしたアメコミ映画」という枠組みを飛び越えて、「アメコミヒーローが主人公のコメディ」になっています。これまでのDC映画のストーリーを知らなくても楽しめますし、お子さま連れのご家族にもピッタリ。日本では全く話題にならないコメディが次から次に大ヒットを続けるアメリカの需要に上手くはまったということなんでしょう。 同時に『アクアマン』の時にも顕著であった「ノーラン&スナイダー路線」への決別は決定的となりました。私はバットマン、スーパーマン、ワンダーウーマン、アクアマンとBIG4のうち3人が生まれついてのヒーローであるDCは、マーベルのような葛藤を中心とした描き方ではなく「分かりやすい勧善懲悪」で人々の童心を掴むべきだと思っているので、この傾向は大賛成です。 あまり難しいことばかり考えず、肩肘張らず、心の底から笑って泣け、純粋なヒーローの在り方を思い出させてくれる良い作品に仕上がっています。この調子でマーベルを脅かしてほしいですね。
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