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ロバート・デ・ニーロ エグザイル
平均 3.2
日本では公開されなかった作品。 原題は「Being Flynn」で変な邦題はスルーしましょう。 実在の詩人、小説家であるニック・フリンの父との物語を描いていますが、なかなか良い作品で心に残りました。 作家志望で職に就かないニック(ポール・ダノ)は18年間も音信不通だった父親ジョナサン・フリン(ロバート・デ・ニーロ)から連絡をもらう。 差別主義で自分勝手に生きてきた父をどう扱っていいのかわからないニック。 母親(ジュリアン・ムーア)の手で育てられたニックは母を自死で亡くした過去にも苦しんでいた。 父も作家を目指していて自分も同じように生きていると知り、どう生きていくか苦しむニックをポール・ダノが好演! 殺人鬼でもなく変質者でもないポール・ダノのこんな繊細な演技がずっと観たかったんです! 背が高くスタイルの良いポール・ダノ、初めてカッコいいと思いました。 ホームレスを支援するシェルターで働き出すニックの元に酒に溺れたホームレス姿の父親が現れます。 もちろんシェルターでも騒ぎを起こし出入り禁止になったり、命を狙われる路上生活に戻ることにもなるのですが…。 父をどうしていいのかわからないニックの苦悩は薬物に走りそうにもなります。 この辺はニックの正念場でした。 父には崩れ落ちない強い意地があり、「くたばるもんか!俺はサバイバーだ!」と叫ぶシーン。 「お前は俺とは違う」と言い、ニックの潜在する意識を解放してやる父のシーンはたまりませんでした。 ニックの支援施設での評価から口添えしてもらい良い方向に進んだのはホッとしました。 父は好き勝手に生きてきたけど、大切な人の写真は額縁に入れ持ち続け、最後はニックが出版した詩集まで大切に額に入れる…。 相変わらず口が悪いけど精一杯の親心ですね。 ロバート・デ・ニーロの老けたけれど貫禄のある演技、ポール・ダノの普通の青年役にも惹かれました。 支援施設のちょっと味のある女性職員ジョイを演じたのは原作者のニックの実の妻だそうです。 この女性の表情がとても良くて気になっていました。 最後のポール・ダノの奥さん役は「グレアナ」のマギーだった。 音楽もBadly Drawn Boyの曲がなかなか心地良かったです。 私にとっては発掘できて良かった作品でした。