レビュー
「ブラックエクスプロイテーション映画」の完全リブート。 考えようによっては面白みがないほどに忠実に画面の質感やサイズ感。演出まで完コピしていて、このジャンルが好きな人にはもうたまらない。 一方で思い入れゼロだと、なんだかとても古臭く感じるつくり。 ドラマ部分はいたってシンプル。 わかりやすくグレている金持ちのボンボンのクリスチャン・ベール。 わかりやすく直情的な刑事のサミュエル・L・ジャクソン。 そこに少し含みのある揺らぎを持つジェフリー・ライトの三つ巴。 しかし端を発した黒人青年の殺人事件の冒頭部分から、否応無く滲み出てくる「人種差別」の問題。 白人と黒人の対立。はこのシンプルな物語の縦軸として機能しているが、横軸になると少し複雑。 白人vs黒人、から端を発しても、そこには黒人と黒人の対立さえも生む背景が横たわってくる。 アイザック・ヘイズのテーマソングに乗せてのいかにもなファンク選曲。など音楽は延々と鳴りまくる。 ヒップホップ世代の温故知新、リスペクト精神の貫徹が見て取れる。 ノリと勢いと、どことなく残る後味の悪さが味わい深く、また楽しい作品。
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