レビュー
この間観た、同じくカーレースの世界を描いたフォードvsフェラーリでは、男性二人はいわばタッグを組みチームとして厚い友情を育んでいくけれど、こちらは、この安っぽいサブタイトルがいうような「友情」じゃない。 ライバル、それは、おそらく時に憎しみさえ抱くくらいの、あいつには負けたくないという好敵手。でもそのライバルと、長い年月の末にいつしか、彼らにしかわからない、同じ興奮と恐怖とを共有したもの同士でしか持ち得ない、強い絆ができている。その過程が凄まじい。 お前がいたから帰ってこれた、とそれだけ聞けば美しいセリフだけど、本当はすごく屈折している。でも、長い長い時を経たあとで、やはりあいつがいてくれたからこそ、という畏敬にも似た感謝をお互いが持っている。つまりそれが「友情」、というラスト。 素晴らしい映画でした。
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