
Till

きみに読む物語
平均 3.8
馬鹿な男と強欲な女の不倫話を美談にしただけの愚作。前評判がかなり高かったし、泣ける映画と検索すれば必ずと言っていいほどこの映画が挙げられるので、ラブストーリーを苦手としながらも観賞してみたが、こりゃ酷い。かと言って良い点もあった。「きみに読む」の通り、デュークと名乗る人物が認知症の老女にある恋の物語を読み聞かせるというシチュエーションは捻りが効いていた。認知症ゆえに、一度記憶を取り戻したときの歓喜の瞬間や、またすぐに忘れてしまう切なさや儚さなどが表現されていたのでこのアイデアは良かったと思う。ただ肝心の「物語」の部分が酷すぎてつまらない、というか共感できない。最初のノアがアリーに一目惚れして観覧車に無理矢理飛び乗るシーンなんかは最低。ああゆう周りの迷惑を一切考えず己の欲求だけで動く奴はホントに嫌い。挙げ句に、「俺は好きなものはモノにせずにいられない」という問題発言。ノアがイケメンだったから美談みたいになってるけど、これをブ男がやれば完全にやべー奴だし、ストーカーとして通報されて終わり。それに対してアリーも最初は拒絶したもののあっさりOK(イケメンだから)。馴れ初めが薄すぎて早速感情移入できない。そこからは何の捻りもないベタベタの恋愛模様を見せられ、ありがちな喧嘩別れ。それからノアが手紙を送り続け、それをアリーの母親が隠すというこれもありがち。これに対してアリーが後に「私は7年も待ってたのよ!」と怒鳴るシーンがあるのだが、じゃあなんでお前は自分から手紙出さなかったの?てなってしまう。それからアリーはロン(またイケメン)という人物と出会い(出会い方も大したことない)、そのまま婚約。なのに久々にノアと会ったら即寝る。なんだこいつ。ギリギリまでどっちつかずで最終的に完全な略奪愛。何も美しくないし感動もしない。ただの不倫。ロンがただただ可哀想。ラストシーンのお涙頂戴の演出も、よく考えればあり得ないし、まるでおとぎ話のように都合良く、綺麗に収まりすぎ。批評家からの評価が低めなのも納得できる。感動や興奮などの感情は一切生まれず、ただただイラついただけの2時間だった。