レビュー
1951年の国産初カラー映画。家出して東京でストリッパーをしているおきん(高峰秀子)が、同僚の踊り子・朱美と故郷に帰ってきて・・・という作品。木下惠介監督作品。 浅間山の麓(北軽井沢)の田舎にド派手な衣装の2人。リリー・カルメンと名乗り、自らを芸術家と言うおきんが田舎者達をギャフンと言わせる痛快な物語かと思いきや。時代のせいでしょうか・・・。 おきんが自分を芸術家というのは「裸踊り」に誇りを持っているからというより、頭が弱いからとされている(少なくともお父さんはそう信じている)設定。村人の前で渾身の踊りを発表したのに、帰る2人に向かってかけられる男達のヤジの嫌な事! おきんを思うお父さんや、盲人の元教師「めくらのたった一つの楽しみであるオルガン」というパワーワード)と夫の代わりに馬丁として働く妻など、それぞれの家族愛が丁寧に描かれているのは良かったし、子供達の牧歌的な雰囲気も、さすが木下惠介という感じでした。 まだ40代なのに、これぞ笠智衆な校長先生が、強欲な地元の名士を殴り、「校長なのに暴力を振るってしまった、でも後悔はしてない。浅間山が見ていてくれるよ」と捨て台詞を吐く所、朱美にからかわれて困惑する佐田啓二のハンサムっぷりも良かったです。
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