レビュー
Taul

Taul

3 years ago

5.0


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イニシェリン島の精霊

映画 ・ 2022

平均 3.5

『イニシェリン島の精霊』鑑賞。マーティン・マクドナーの作劇はやはり個性的で素晴らしい。100年前のアイルランドの孤島を舞台にした寓話的な映画作品。パードリックの愚直さを可哀相と思うもコルムの孤高への憧れに共感。どちらも痛い程分かるし、もうこれで行くしかない、時間がないといった中年の悲哀が刺さる。笑いながらも切ない。 『イニシェリン島の精霊』そして最後まで見ていくと人格者、賢者、愚者、見物人、道化、ロバ、死神らといった面々が往ったり来たりのマクドナーによる箱庭的な島感。自分はどれか、実生活でもこの人はどれなのか、と失礼ながら見てしまう程だ。じわじわとこの沼のような作品の虜になっている。 『イニシェリン島の精霊』マクドナーの舞台は見たことないが、映画は役者や舞台が妙にリアリティがあり戯曲っぽさを打ち消そうとしてるのが結果的にスリリングで面白い作風になっているのでは。残酷描写も特徴で知性からふいに感性が刺激される。パンフや解説も未見で咀嚼中。打ちのめされた『スリー・ビルボード』とは似たテーマを持つもまた違う変な魅力だ。