レビュー
ギレルモ・デル・トロが手掛けた『ヘルボーイ』シリーズからスタッフ・キャストを一新して制作されたリブート作品。興業収入は公開5週間で制作費の半分にも満たず(結局回収できてない)、「Rotten Tomatos」では批評家スコア17%と、世間からも批評家からも酷評されている本作だが、ちょっと擁護できないほど酷い出来映えで、前作の『ヘルボーイ』シリーズのファンである自分は心底がっかりした。監督を担当したリック・マーシャルは元々ゴア描写に定評のある方ということで、本作でも顔の皮を剥いだり股を裂いたりと容赦なく残酷な映像が映し出されるのだが、別にヘルボーイにそこは求めてないというのが個人的な意見。グロテスクで気味の悪い造形のキャラクターが多数登場する割りには、ヘルボーイとまともに戦ったのは巨人とブタの2体のみで見所も少ない。挙げ句にこのヘルボーイがめちゃくちゃ弱くて、ずっとゼーハー言って疲れてるし洗脳されるしで全くもって魅力がなく、性格も単なるバカにしか見えない。無駄に長いセリフで時間を稼ぎ、やっとニムエとのタイマン勝負が見れるかと思いきや、まさかのあっさりした展開に呆然としてしまった。 独特の世界観というものはあるのだが、ギレルモ・デル・トロはそこにプラス“芸術性"があるので、その点でも劣っている。本作を観て逆にギレルモ・デル・トロの偉大さを再認識させられた。次回作に期待、と言いたいところだが、この興業収入にさらに制作トラブルがあったことも考えると、続編はかなり厳しそう。
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