レビュー
『ニューシネマパラダイス』や『イルマーレ』『海の上のピアニスト』など数々の優れた傑作を世に放ってきたイタリアの巨匠、ジュゼッペ・トルナトーレの描くサスペンス。鑑定士を主人公とするだけあって、数々の美しい絵画や部屋の装飾、そして背景に流れるエンリオ・モリコーネの音楽…ともう雰囲気は抜群です。 ストーリーは映画を見慣れた人ならば先の展開がすぐにわかってしまうくらいドストレートで捻りもないのですが、そこを2時間退屈させることなく引っ張っていく引力こそ監督の持ち味ですし、いったいどこまでが『本物』だったのだろうと観賞後も余韻が消えません。 ただ敢えて言いたいのは、主人公ってここまでされなきゃいけないくらい悪い人間には見えないのです。確かに自己中な強欲ジジイだけれど、一生に1度くらい童貞が夢見たっていいじゃないですか。ジュゼッペ・トルナトーレは間違いなく世界中の非モテ系男子を敵に回しましたね。
いいね 35コメント 0


    • 出典
    • サービス利用規約
    • プライバシーポリシー
    • 会社案内
    • © 2024 by WATCHA, Inc. All rights reserved.