レビュー
ホログラム満載の街並み、荒廃した大地、独特のタッチで描かれる近未来。そして、人造人間が“生命の誕生”という神の領域に至るのか。それぞれ超越した世界観、これこそまさに映画でこそのエンターテイメント! 『ブレードランナー』('82)の続編であり、前作の主演ハリソン・フォードが引き続きリック・デッカード役で出演。製作総指揮は前作の監督も務めた『エイリアン:コヴェナント』リドリー・スコット、監督は『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ、出演は『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリング、『スクランブル』のアナ・デ・アルマスと、豪華キャスト。 注目すべきはやっぱりその映像美。近未来の街並みや荒廃した大地はもちろん、この映画ならではなのが、ホログラムAIであるジョイ(アナ・デ・アルマス)の存在。感情を持つホログラムとして描かれていて、人間の女性を使い、重なり合う事でK(ライアン・ゴズリング)と身体的に触れ合おうとする、“人造人間に芽生え始める感情”のシーンが印象的。人造人間であるKも、自らが人間であるかも知れない疑問を持ち始め、その狭間で揺れる心境が映画の軸として描かれている。 ところどころに日本語が登場するのは、前作同様。監督も「日本という国や文化からの影響は、第1作で顕著だった。本作でも、できるだけその流れを受け継いでデザインや衣装に反映した」(ジャパンプレミア)と語っている。島国である日本の独特な文化に対して、監督はもとよりアメリカ全土がどこか稀有な意識を持っている現れではないかと思う。 近未来にはロスは荒廃していて、裕福な人間は地球外に移住している。この設定を把握しておかないとついていけないので、注意が必要かも。こと華やかな近未来の描写を期待していた自分がいるので、少し消化不良。
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