レビュー
星ゆたか

星ゆたか

4 years ago

3.5


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お熱いのがお好き

映画 ・ 1959

平均 3.7

2022.7.20 【対談レビュー*No-2】前回に続き亡き友人を偲んで。 森はつじさんの大好きだった、 マリリン・モンローの魅力溢れる作品です。 (星)1959年(昭和34年)公開の映画。 なんといってもあの甘いハスキーボイスの ♪アイ・ワナ・ビー・ラヴド・バイ・ユー♪ 劇中歌マリリンの声がいつまでも耳に残りますね。 確か森さんにマリリン・モンローの絵はがき貰いましたったけね! また森さんと共通の女友達と三人でいった、映画ミュージックフィルム・コンサートもいい思い出です。 (森)あぁ、あれ楽しかったね! この映画もとにかく楽しい喜劇なんですが。 製作にはトラブル続きの大変な作品だったみたいです。その原因の大半はマリリン・モンローらしく。 まず最初彼女はカラー作品だと思ってたら、モノクロなんでその時点でもう不機嫌! でもこれは監督の最初からの狙いで。 カラーにするとトニー・カーティスとジャック・レモンの女装が、倒錯趣味に見えたり、グロテスクな印象になる恐れを避けた上の判断だったらしい。製作費やモノクロ即ノスタルジーの連想だけではないという意図です。 (星)マリリンの撮影時間の遅刻とか、スタッフへの不機嫌はいつものことで、周囲はそれはそれは忍耐の日々だったらしい。彼女はその日の撮影が終わる頃になってようやくエンジンがかかるんですって。 またこの頃彼女は三回目の結婚の相手劇作家アーサー・ミラー(56年結婚61年解消)との妊娠中(流産)だったという状況での撮影でさらに心身不安程でした。 思えばこの作品の三年後に、睡眠薬により36歳の生涯を閉じてるんです。1962年8月4日の深夜ロサンゼルスの自宅にての死。 そしてこの突然の“自殺死”には不倫関係があったとされる、ケネディ大統領兄弟の政治家のマイナス広報(この時は弟との不倫報道)を恐れた政府関連による。 あるいは、その兄弟の犯罪撲滅活動に怨念のあったマフィア組織などなどによる。 “他殺死”の疑念確証も残しています。 ロバート・スレイツァー著書(1993年) 『マリリン・モンロー 他殺の証明』 (森)しかしそんな裏事情にも関わらず映画は魅力たっぷりの作品でした。 禁酒法時代の暗い暗黒世界、葬儀社を装ってのギャング、警察、さらにFBIまで出動し繰り広げられる騒動の描写はドイツ出身の監督さんらしい雰囲気があります。非情な銃殺シーンも基調のソフィスティケイト・コメデイの味わいを損ねてません。 (星)しかし笑える場面は数々ありますが。私が大好きなのはあのマイアミ行きの列車の“女の匂いムンムン”の夜中のパーテイ。まるで女学校の修学旅行みたいなノリで騒ぎ、女ばかりの中、女装した役のジャック・レモンが列車内の狭い二階ベットにみんなが集まり、もみくちゃになる所は、腹を抱えて笑いました。 この作品アカデミー賞ではあの「ベンハー」が11部門受賞の年ですから、6部門でノミネートされましたが結局衣装デザイン賞(オリー・ケーリー)だけ受賞しました。演技者ではこのジャック・レモンが主演男優にノミネートされたんです。 ちなみにビリー・ワイルダー監督はこの時53歳。「失われた週末」(45)と「アパートの鍵貸します」(60)で二度監督賞を受賞しました。 年齢の話しでいうと。この時ジャック・レモン34歳。トニー・カーティス33歳。マリリン・モンローは33歳でした。 (森)さんざん男との恋愛で裏切られたヒロインが眼鏡👓をかけて、心優しいどこか頼りないお金持ちの男性を待ちわびていて。 目の前に表れた(仮想の)理想の相手に、自分がこの男性を安らげ癒してあげる母性に目覚めるんですよね。 一方相方の男性は金持ちの何回も結婚・離婚を繰り返している高齢の男性に好かれ困惑気味だったけど。最後は男だから結婚できないと白状しても、 『ノーバデイーズ・パーフェクト』 (完全な人間なんて、いやしないさ) と交わされるオチでした。 (星)この映画が公開された1959年(昭和34年)は明仁親王と美智子さんのロイヤルウェディングでテレビの需要が高まった年でした。 邦画では今井正監督の「キクとイサム」 小林正樹監督の「人間の條件」 市川昆監督「野火」 山本薩夫監督「荷車の歌」 洋画の世界では新しい傾向作法の監督が出てきました。シドニー・ルメット監督「十二人の怒れる男」 アンジェイ・ワイダ監督「灰とダイヤモンド」 ルイ・マル監督「恋人たち」 アラン・レネ監督「二十四時間の情事」などがそれです。 さてそんな訳で二回に渡り、懐かしい個人的な映画友人を偲んでの対談形式で送りました。森さんが生きていたらこのような映画アプリで、やはりレビュー書かれたのではないかと思います。 どうか今映画を語れる友達がいらっしゃる方、その出会いを大切になさって下さい。それでは今回もありがとうございました。