レビュー
エリート将校夫妻の娘である気高く美しい少女が、敗戦により両親を逮捕され、妹、弟を連れて遠方の祖母の家まで逃避行をするというストーリー。 映画のポイントは三つで、一つは幼い赤ん坊もいる(このことが最後まで効いてくる)ということ、二つ目はユダヤ人を名乗る青年と同行するというところ、そして三つめは娼婦ともいえる行動に出てまで生き延びようとするところだと思う。 このストーリーは、米英連合軍、もしくは親ユダヤ残党みたいな群衆(そんなものが存在していたのかどうか?)がこの子たち(赤ん坊もいるのだ)を、例えばリンチするなどの「恐怖」がないと成り立たない。ちょっと信じられないが、そこのところが具体的に描かれていないので、切羽詰まった感じが伝わらないのだ。その点は失敗であろう。 また手持ちカメラの必要性や、くだんの青年の正体をあえてボカす必然性が理解できない。全体的に「なんとなくこんな感じ」みたいなところが多すぎ、不親切だと思う。せっかく達者な子役を擁した力作なのだから、大衆映画としての基本は通してほしかった気がする。 また、邦題は、もはやトンチンカンを通り越して、悪趣味の域なのではないだろうか?
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