
てっぺい

ほどなく、お別れです
平均 3.7
2026年02月05日に見ました。
【声が残る映画】 別れを扱いながら、泣かせることを目的にしない。遺族に寄り添う所作、抑えた感情、そして目黒蓮の声が、観る側の記憶と静かに重なっていく。大きな喪失に、それでも前を向ける余韻を残す一本。 ◆トリビア ◉指先まで遺族を思う 遺族を思い、少しでも気持ちに区切りがつくようにという漆原の考えと同じ気持ちで役に向き合ったと語る目黒蓮。 ▷「納棺のシーンでも、故人様に触れる瞬間も、もっと優しい気持ちで触れたいと。そういう気持ちを持っていれば、指先までしっかり表現できる気がして、気持ちの部分はとても大切にしていましたね。」 (https://www.crank-in.net/interview/180317/1) ◉目黒が積み重ねた努力 目黒は納棺師の役作りのため、所作については練習を何度も重ねたと明かす。 ▷「「納棺の儀」や所作の部分は、本当にたくさん練習しました。実際に葬祭プランナーの方から色々お話を聞いたり、所作の動画を撮ってくださって、それをひたすら見て、見まくって。イメージを膨らませながら、練習も重ねていきました」 (https://www.crank-in.net/interview/180317/1) ◉泣きすぎた撮影初日 目黒の撮影初日は、漆原の過去のシーンの撮影で、泣きすぎて頭が痛くなったという。 ▷「頭痛いし、鼻水も止まらないし。でも最初にそのシーンを撮れたことで、感情をしっかり持ったままその後の撮影に臨めてよかったです。」 (https://www.crank-in.net/interview/180317/3) ◉声で映画を包む 共演者達は、目黒の声の演技を絶賛する。 ▷北村匠海「この声がある限り、この映画は絶対にやさしさに包まれると感じた。声を聞いて、自分の人生も感じられた。本当にすばらしい芝居力、声の持ち主です」 ▷古川琴音「やわらかさもあるけれど、重みがある声。こういうプランナーさんがいてくださったら、どんなに心強いだろうとしみじみ思っていました」 (https://press.moviewalker.jp/news/article/1319771/) ◉泣かないという演技 涙を見せてはいけない葬祭プランナー役を務めた浜辺美波。撮影は耐えることの方が多かったと明かす。 ▷「毎回、ご遺族の方が本当にボロボロ泣かれていて、苦しそうで、すごく胸が痛かったです。もし参列者の役だったら、きっと一緒に泣いていたと思うのですが、そこをぐっとこらえて“抑える”という部分に集中していました。」 (https://www.crank-in.net/interview/180317/3) ◉本作を見るなら知っておくべき事 ▷描くのは、亡くなった人ではなく、残された人が過ごす時間 ▷葬祭プランナーは泣かずに仕事をする立場。その悲しみを抑えた優しさが描かれる ▷演技の見どころは涙や台詞より、所作・間・声の温度 ▷泣かせにくる映画ではなく、観る側の記憶や経験が勝手に重なってくる構造 ▷答えは示さず、別れと共に生きることを静かに肯定する ◉最後に一つだけ。 原作者は、若くして夫を自宅で看取った経験から本作を執筆。別れが近づく恐怖と悲しみの中で過ごした時間が、結果的に別れへの心の準備になったと語る。 ▷「どなたかを失った方は、無理に頑張ろうとする必要はないのではないかと思います。亡くなった方の思い出とともに、その先でまたいつか会えるかもしれない、そんな希望をもって生きていくことが大切なのではないかと思っています」 (https://www.fujingaho.jp/culture/interviews/a69997451/interview-nagatsukiamane-260119/) ◆概要 【原作】 長月天音「ほどなく、お別れです」(「小学館文庫小説賞」大賞受賞作品) 【監督】 三木孝浩(「アオハライド」「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」) 【出演】 浜辺美波、目黒蓮、森田望智、古川琴音、北村匠海、志田未来、渡邊圭祐、野波麻帆、西垣匠、久保史緒里、原田泰造、光石研、鈴木浩介、永作博美、夏木マリ 【主題歌】手嶌葵「アメイジング・グレイス」 【公開】2026年2月6日 【上映時間】124分 ◆ストーリー 就職活動に苦戦する清水美空には、「亡くなった人の声を聴くことができる」という、誰にも打ち明けることができない秘密があった。そんな彼女に運命を変える出会いが訪れる。彼女の能力に気づいた葬祭プランナーの漆原礼二から、葬祭プランナーの道に誘われたのだった。なにかに導かれるように葬儀会社「坂東会館」のインターンとなった美空は、漆原とタッグを組み、妊婦の妻を亡くした夫、幼い娘を失った夫婦など、さまざまな家族の葬儀を通して、「残された遺族だけでなく、故人も納得できる葬儀とは何か?」という問いに向き合っていく。やがて美空は、誰よりも真摯に故人と遺族に寄り添う漆原の姿勢に憧れを抱くようになり、自身も葬祭プランナーを志すことを決心する。 ◆ ◆以下ネタバレ ◆ 冒頭、川辺を歩く祖母から離れた孫は、振り返れば美空の姉。それは、美空の能力が備わるきっかけでもあった。美空は、遺族の心を昇華させていく本作において、特に故人の魂を導いていく存在。葬祭プランナーとしてその“泣かない”演技が逆に胸を打つし、遺族でもプランナーでもあったラストでこぼす涙には、静かな力強さがあった。 漆原は一方で、ひたすらに遺族を思う存在で、常に遺族の立場で振る舞う姿が印象的。身重の妻の魂が“あちらの世界で必要になる”とオムツを送る提案の優しさ。おもちゃの指輪から、離別家族の心を繋ぐ優しさ。それらの気持ちの源が漆原自身の悲しい過去の経験だと分かる時、自然に涙していた。所作の徹底ぶりや、“忌み言葉”を指摘する凛とした姿勢はもちろん、共演者が絶賛するその“声”はなるほど優しさの重みがあって、演じた目黒蓮の熱量が伝わってきた。 “能力”を失ったと告げる美空と、遺族に向き合う美空をプランナーとして認めた漆原。それは同時に、美空を案じる“お姉ちゃん”が美空を導き、その役割を終えて浄化した瞬間でもあった。満開の桜はその全てを讃えるように咲き誇る。思えば何度も登場したスカイツリーは、地と天を繋ぐ本作の象徴。美空の言った“ほどなく、お別れです”の別の意味は、原作者の伝えたい“故人といつかまた会えるという希望”。おそらくこの先自分が大きな喪失を抱えた時、本作がきっと心の拠り所になってくれる、そんな確信を静かに残してくれる作品だった。 ◆評価(2026年2月6日現在) Filmarks:★×4.0 Yahoo!検索:★×4.0 映画.com:★×4.2 ※個人評価:★×4.0 #ほどなくお別れです #目黒蓮 #浜辺美波 #声が残る映画 #静かな感動 引用元 https://eiga.com/movie/103865/ https://ja.wikipedia.org/wiki/ほどなく、お別れです