
Murakami Takayoshi

リーガル・ハイ
平均 4.0
悪徳弁護士コ・テリムを始めとした登場人物の謎や過去が徐々に明らかになっていく展開に、最後まで飽きずに見れた作品。特に最終話は劇場版かと思うような名シーンもあった。 一方で見きり発車的な部分も多く、無駄なシーンを入れたり、次の話で登場人物のキャラが変わったり、中途半端に日本語版のシーンを入れたりするので、面白さのエンジンかかるまで数話我慢する人はいるかもしれない。 キャラクターや裁判、一部のシーンは日本版リーガルハイをモチーフとしているが、基本的に別物で、一話完結のコメディドラマだった日本語版とは異なり、シリーズ通してキャラクター同士の関係や謎に踏み込んでいくドラマとなっている。 作中テーマも「真実は誰にもわからない」(日本版)から「真実に(一瞬でも)たどり着ける」と正反対。 日本版が大好きなので、以下日本版との違いについて詳細に書いていく。 ストーリー ソ・ジェイン(黛)は学童期に父親が失踪し、元判事であるソン教授の世話になり母のように慕っている。弁護士になったソはインターンとして法律事務所B&Gで働くことになる。女性として、先輩弁護士として、優しく接するミン室長や、エリート意識丸出しのユン弁護士などに囲まれて働くソだが、ハンガングループ飲食店オーナー殺人事件の弁護がうまくいかず、限界を感じていた。金に汚いが勝率100パーセント、怪物変態(ケテ)と呼ばれる弁護士コ・テリム(古美門)のことを知ったソは、コ・テリムに殺人事件の弁護を依頼する。一方のコ・テリムは謎の男に襲われたことで、かつて所属していたB&Gの仕業と断定し、対立意識を深める。殺人事件の濡れ衣を晴らし、ソはコ・テリムの弁護士費用返済のために、コ・テリムの事務所で働くことになる。コ・テリムへの憎しみを募らせるB&G代表パンは、対コ・テリムの秘策として、失踪していたコ・テリムの一番弟子カン・ギソク(羽生)を引き入れる。コ・テリムを襲った犯人は?飲食店オーナーを殺したのは?物語はやがて、ハンガングループの御曹司ソン・ギジュンの登場でコ・テリム達の過去へと踏み込んでいく。 全体のストーリーとしては日本版とかけ離れているが、部分部分で日本版要素を感じられると思う。 実際は日本版シーンをまるまる再現したりするので、もっと日本版の存在感がある。 キャラクターも結構改編されていて、コ・テリム(古美門)は金に汚く自己中だが、古美門のスケベ・下卑たところがなくなっている。また、かつては「花を見て涙する」ような心優しい人間だったという設定も加えられている。 大きく変わったのが、ユン弁護士(井手モチーフ?)。いつも失敗して三木から怒られる井手からキャラクターを膨らませ、いつも失敗しているが自己評価が高いため、めげない天然系のギャグキャラになった。終盤はメインキャラ扱いとなり、井手とは比べ物にならないほど出番が多い。 作中で扱う裁判も、ほとんどは日本版と同じ内容を扱っており、元の回を頭に浮かべることができる。 飲食店オーナー殺人事件(日本版ではガソリンスタンド)、ストーカー裁判、楽曲盗作の著作権裁判… 中でも子役女優の親権喪失裁判はほぼ元の内容をトレースしていた(自分も大好きな回なので気持ちはわかる) 一方で、裁判内容を改編したり、テーマ性を変えているところもある。 日照権裁判→労働組合裁判とか、 ストーカー裁判は「当事者の心の真実はわからない」というテーマから「身を引く愛もある」に変わったり、隣人問題裁判は判事対検事の法曹界の権力の話になったり…。 日本版リーガルハイとの一番の違いは、話の構成。 日本版では一話完結のコメディドラマで、基本的に一話で一つの裁判を中心に、テーマを描いていく。 韓国版は、コ・テリム達キャラクターの謎が示され、それが解明されていく物語。弁護士ドラマなので裁判は扱うが、話の中心ではないので、いつの間にか裁判が終わっていたりする。 日本版のような、笑いや、裁判シーンの気持ちよさは無いので、そこを期待すると肩透かしをくらう。 謎が解明されていくストーリーは、日本版と別物として楽しいので、日本版要素には期待せず、数話は続けて見るのが良いと思う。