レビュー
アンジェリーナ・ジョリー制作の、実話に基づいた映画。 カンボジアの1970年代、民主カンプチア時代のポル・ポト政権下での、国民大量虐殺を生き残りの女性の視点で描く。 両親と7人兄弟でありながら、政府の役人という裕福な家庭で何不自由なく育ってきた少女が、ある日ポル・ポト政権下のクメール・ルージュという兵士たちにより、「3日疎開するだけ」と騙され、住処も持ち物も奪われ、遠く離れた地で奴隷のように強制労働を強いられる。 同士と呼びあう同じ境遇の人々は、ゴミ袋のような色に染め直された意思や自由の許されない服装をし、保身のためにお互いを告発し合い、子供も大人もろくな食事を与えられず、1日十何時間も農作業。 まだ5歳の主人公には何が起きているのか分からず、親に言われるがまま、流されるがまま、恐怖と空腹の中で生きていきます。 上の兄弟姉妹3人は若い労働力として別の場所へ連れていかれ、姉は病気にかかりろくな治療も受けられず放置されて死亡。 そんな中、2年が経過し、今度は父親が連れていかれおそらく殺され戻ってこない。 苦渋の選択を迫られた母は、1番下の幼子だけを残し、残りの幼い3人に、逃亡して孤児を装うように指南し、家族はバラバラとなる。 逃げた先でも支配されていることには変わりないが、素性を明かさぬ孤児を演じた事で、幾分まともな食事が与えられる。 が、その後姉と引き離され、主人公は幼く賢そうという理由で少年兵の訓練に従事させられ、銃の扱いと洗脳のような教育、地雷の設置などをさせられる。 ホロコーストのような、戦時中の日本のような、同調圧力と暴力の中で、兄弟が5人も生き残りったことは奇跡的だろうなと思う。 よく知らない歴史に触れられた映画だったので、とても見応えがありました。
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