レビュー
邦題の「ルーベ、嘆きの光」はタイトルとしては及第点かな。 英題の「Oh , Mercy」は「あぁ…」とか言う慈悲を表す言葉か。 どっちにしてもフランス映画なので、微妙なニュアンスは伝えにくいです。 デプレシャン監督が以前に観た「ルーベ警察の日常」のドキュメントから影響を受けて作られた作品。 舞台はベルギーとの国境に近いフランス北部の町「ルーベ」。 以前は栄えていた町だが今は移民も多く、犯罪率、貧困率がかなり高い地域。 ルーベ警察の署長ダウード(ロシュディ・ゼム)を中心に犯罪の通報の度に捜査に翻弄されるお話です。 家出して行方不明の少女の捜索、レイプ被害を受けた少女の検証、町の放火や様々な犯罪が起こります。 ある老女殺害事件ではそれまで目撃者として参考人だった二人の女性にダウールは目を付ける。 主犯格と思えたクロード(レア・セドゥ)と従う側のマリー(サラ・フォレスティエ)とのやり取りに目が離せない。 ダウールが「昔、クラスにいた女王様タイプのクロード、それを遠くから見ていたマリー」のように例えて、ふたりの関係性や役割を紐解いて行こうとする場面は面白い。 レア・セドゥ目当てで観た作品ですが、いつも独特の雰囲気があって謎めいた表情が良いです。 車にのってマリーを振り返りながら無表情に圧をかけるような目差しが印象的。 やっぱりレア・セドゥならではの「目」の演技はうまい。 ダウール署長もアラブ系の移民で複雑な感情を持ちながらルーベの町の犯罪に対処する日々。競馬新聞と馬の疾走を観る事を楽しみにしているのも何だか良かった。 (ただしお金は賭けない) と言うことで、地味な作品だけど警察の聴取方法や捜査の役割とか、なかなか興味深い点もありました。 まさに「ルーベ警察24時」って感じ。
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