レビュー
2019年9本目は期待値で言えば今年はこれ以上のものないんじゃないか、と見る前からハードルあげまくりで臨んだ『クリード』待望の続編です。今回はライアン・クーグラーが製作に回ってしまったものの、脚本はスタローンが執筆していますし、シリーズの「うま味成分」は十分に感じられる一作でした。 正直なところ挫折から何かをつかんでのカムバックという展開は定型的すぎますし、8作も続けてそれしかないのかと言われればそれまでです。相手にこれ以上ない宿敵を用意していますが、試合の見応えやクリード&ロッキーに迫る試練は前作に比べると明らかにパワーダウンしています。 それでも私がこの映画を愛してやまないのは、人目も憚らず号泣してしまうのは、『ロッキー』シリーズが映画の枠組みを飛び越えて出演する役者の人生そのものと重なる「リアルドキュメンタリー」だからでしょう。 今回もロッキーと息子ボビーのやり取りを眺めつつ、スタローンが急逝した実の息子セイジさんとの関係をダブらせているんだろうな…とか、『ロッキー4』に出たことで人生がすっかり変わってしまったドルフ・ラングレンをドラゴ親子に投影したんだろうな…とか考えながら見ていると本当に胸を打つシーンの連続なのです。 スクリーンから飛び出す勢いでスタローンとドルフ・ラングレンが琴線狙いのパンチを打ちまくってきたら、そりゃあ私の涙腺なんて1ラウンドも持ちません。まだ今年が始まって1ヶ月ですけれど、また1つ大切にしたい映画に出会えました。
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