レビュー
dreamer

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3 years ago

4.0


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ヒューゴの不思議な発明

映画 ・ 2011

平均 3.1

「タクシードライバー」や「ディパーテッド」など、数々の名作を世に送り出してきたマーティン・スコセッシ監督が、「ヒューゴの不思議な発明」で、初めて3Dに取り組んだ。 最新技術で描いたのは、映画が誕生して間もない頃に活躍した人物への、敬愛の情に溢れる物語だ。 舞台は1930年代のパリ。冒頭、上空から見た街並みが、3Dで浮かび上がる。 カメラは街の輝きや雑踏を映し出し、やがて少年がひっそりと暮らす、駅の時計台裏の暗がりへと進んでいく。 素敵な物語の世界へ誘う、素晴らしい導入だ。 一人で生きる少年は、食べ物に困りながらも、父の形見の機械人形を完成させることを夢見ている。 そんな折、その部品を手に入れようとして、おもちゃ屋の主人に捕まってしまう。 この孤独な者同士の出会いが、映画をめぐる発見へと繋がっていく。 1902年の「月世界旅行」など、素朴な無声映画が次々と映し出され、3D映画とは違う意味で輝いて見える。 ブライアン・セルズニックによる、原作の絵本が素晴らしい。 映画の絵コンテのような鉛筆画に文章を添え、アメリカで優れた絵本に贈られるコールデコット賞を受賞している。 マーティン・スコセッシ監督は、その絵に色彩や立体感を与えて映画化し、魅力的な俳優の演技で命を吹き込んだと思う。 しかし、やはりデジタル技術で描かれているせいか、煌びやかで人工的な雰囲気が感じられる。 手描きのぬくもりが伝わる原作本の方が、想像を膨らませることができ、愛着も湧く気がしましたね。