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エターナルズ
平均 3.4
『ノマドランド』でアカデミー作品賞を受賞したクロエ・ジャオ監督が手掛けるヒーロー・アクション映画。 MCU作品としては26作目、フェーズ4に突入してからは『ブラック・ウィドウ』『シャン・チー テン・リングスの伝説』に続く3作目となる本作。エターナルズのメンバーの半分は女性、人種もバラバラ、そして中には聴覚障害者や同性愛者もいるという、かなり多様性に配慮が為されたキャラクター設定。しかもそれらが物語上深く関わってくるわけでもなく、何か特別な意味づけがされているわけでもない。ごく自然に、当たり前のように描かれる。そういったマイノリティの方々に逆に“誰も触れない”という、ある種究極的なダイバーシティが実現されており、「ヒーロー=力強い男」というマッチョイズム的な固定観念を覆すような姿勢が非常に現代的。「ヒーロー像の転回」が垣間見える作品だった。 ただ、ヒーロー映画として満足のいく出来映えかと言えば決してそんなことはなく、むしろ物足りなさを感じる。MCUには必要不可欠、というか当たり前のように達成される「テンポの良さ」にも欠けており、全体的に展開が鈍重。何せメンバーが10人もいるので、回想シーンを織り交ぜながら一人一人を掘り下げるのにかなり時間がかかっちゃうし、そしてその割りにはそこまで深く掘り下げられていないのも残念。それが原因なのか、個人的にあまり愛着のわくキャラクターが見つからなかった。メンバー全員が初めまして状態なのも理由かもしれないが、知名度の低いキャラクターばかりで構成されているのにもかかわらず全員を魅力的なキャラクターへと作り上げた『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』のような成功例もあるわけだがら、やはり脚本に問題があると言わざるを得ないだろう。過去作『ノマドランド』や『ザ・ライダー』などで「ドラマ性」を評価されてきたクロエ・ジャオ監督の本領は発揮できてなかったように思う(批評家からも低評価気味)。ただ、逆に「アクション」の部分は意外と見応えがあったので、ここは結構満足できた次第。 MCU作品はそこまでシリアスにせずにもうちょっとライトな作風でもいいと思ってるので、次作ではその辺を改善してほしいです。