
てっぺい

ファーストキス 1ST KISS
平均 4.0
2025年02月07日に見ました。
【1番の映画】 “坂元節”の効いた脚本は、時を超えたロマンスのドキドキと、クス笑いも豊富、主役二人の自然体な演技と見どころ満載。見終わるとじんわり心が温まる、寒い今冬に見るには1番の映画。 ◆トリビア ○ 演じたカンナと違い、自分自身は「こうしたら人生が変わるという何かを、知りたくない」と語る松たか子。「強いて言えば、自分にがんばれというエールを込めて演じていました。」(https://eiga.com/news/20250205/20/) ○ 松は本作のタイムトラベルの描き方よりも、駈に対しての想いに割り切って演じたと話す。「カンナさんの行動の原動力はすべて彼への想いだったので、そう演じてみようと思いました。」(https://www.oricon.co.jp/news/2367381/full/) ○ かき氷屋の座敷に上がるシーンで、駈はカンナの靴もきちんと揃えて置いている。脚本にも演出にもなかったもので、駈、そして松村北斗の人間性そのものが出た芝居となっている。(https://1stkiss-movie.toho.co.jp) ○45歳の役を演じた松村は、肉じゅばんで体を太らせることで自然と声のトーンを下げたという。その年齢差を表現する演技を加工やCGに頼らず演じ切れていたことに対して、脚本家の坂元は「お芝居の力はすごいなと思った。」と賛辞を送る。(https://www.cinematoday.jp/news/N0146838) ○本作のセリフで松が印象深いのは「15年後、人は何を見ても聞いても『ヤバい』しか言わない」。松村は「君は柿ピーの柿が好きで、僕はピーナッツが好き」だという。(https://www.oricon.co.jp/news/2367381/full/) ○ 駈が研究の対象としていたハルキゲニアは実際に存在した古生物で、その学名はラテン語の“hallucinari”からきていて、その意味は“夢見心地”。(https://1stkiss-movie.toho.co.jp) ○駈とカンナの非常に長い掛け合いのシーンは、台本で12ページに及び、絶句したという塚本監督だが、「ちゃんと二人が夫婦だったらこういう会話をしていたんだろうな……みたいなことをすごく上手に表現してくださったので、とても思い出深いシーンになりました」と振り返る。(https://www.cinematoday.jp/news/N0147239) ○ カンナと駈が出会う避暑地のロケ地は、山梨のフルーツパーク富士屋ホテル、パーティーが開催される広場は同ホテル近くの笛吹川フルーツ公園。ロープウェイのシーンは長野の北八ヶ岳ロープウェイで、かき氷屋のシーンは静岡のカフェ・無上帑で撮影された。(https://1stkiss-movie.toho.co.jp) ○ 舞台のシーンは、2日間をかけて実際のホールで撮影。メインキャスト以外にも、舞台出演者役、舞台スタッフ役、観客役で100名以上が参加する大掛かりな撮影となった。(https://1stkiss-movie.toho.co.jp) ○ 日本映画の中でおそらく1番音にこだわった作品だと語る山田プロデューサー。「駈が玄関から出ていくときに靴をトントンとする音なども、すごく丁寧に塚原監督はディレクションをしていたんです」と例に挙げる。(https://www.cinematoday.jp/news/N0147178) 〇本作のオリジナルシナリオブックが発売中。セリフの数々や、松たか子の寄稿文や、映画スチールなどを収録している。1870円。(https://1stkiss-movie.toho.co.jp/news.html) ◆概要 【脚本】 「花束みたいな恋をした」坂元裕二 【監督】 「ラストマイル」塚原あゆ子 【出演】 松たか子、松村北斗(SixTONES)、リリー・フランキー、吉岡里帆、森七菜、YOU、竹原ピストル、松田大輔、和田雅成、鈴木慶一、神野三鈴 【公開】2025年2月7日 【上映時間】124分 ◆ストーリー 結婚して15年になる夫を事故で亡くした硯カンナ。夫の駈とはずっと前から倦怠期が続いており、不仲なままだった。第二の人生を歩もうとしていた矢先、タイムトラベルする手段を得たカンナは過去に戻り、自分と出会う直前の駈と再会。やはり駈のことが好きだったと気づき、もう一度恋に落ちたカンナは、15年後に起こる事故から彼を救うことを決意する。 ◆ ◆以下ネタバレ ◆ ◆タイムリープ 駈が命を落とす場面から始まる冒頭。それが示す通り、本作は終始、駈の死をめぐるカンナの奔走が軸。タイムリープを繰り返す彼女が、次第に駈の前でオシャレをし始め、駈の言葉にときめく様子が、松たか子の自然な演技と相まってなんとも微笑ましい(ちなみに珍しくなくなってきたが、松たか子の若返りCGの完成度にはやはり驚く)。かき氷のTシャツを着てかき氷の列に並ぶ人は初めて見たが笑、駈の“ドキドキする”の言葉をおかわりするためだけにタイムリープするカンナが可愛すぎる笑。色んなタイムリープものを見てきたが、本作ほどその現象の理屈に迫らず、感情にフォーカスした作品はない。それが逆にカンナと駈の心の動きにシンプルに注目できて、見やすい作品になっていたと思う。 ◆坂元裕二 「怪物」でカンヌの脚本賞受賞後の次の作品という事で、脚本に否応なしに注目してしまう。「花束みたいな恋をした」のポップカルチャー節炸裂のように、本作でもその言葉選びが秀逸で、“君は柿ピーの柿が好きで僕はピーナッツ”や、“恋愛感情と靴下の片方はいつかなくなる”、“好きなところを見つけ合うのが恋愛で欠点を見つけ合うのが結婚”、“15年後人は何を見ても聞いてもヤバいしか言わない”と、深い言葉や印象深い“坂元節”が満載。カンナが犬対策にフリスビーを持ち込むくだりや笑、二人が初めて会ったシーンで駈がコケていた(これは脚本になかったかもしれないが)クス笑いもたくさんあって見やすい。そんな中、個人的に秀逸だったのが駈がタイムリープを飲み込んで受け入れるくだり(台本で12ページに及ぶ長いシーンだったそう)。カンナが未来駈の愚痴をこぼし、駈は未来の自分を擁護する。口喧嘩をしだす二人は、時を超えてやはり相性の良さ(というか運命的なもの)を醸し出していて、恋愛と時空をかけ合う本作ならではのシーンだと思った。 ◆ラスト 二人が迎えたファーストキスは、駈にとっては当然初めてで、カンナにとってはいわば昔の経験。タイトルでもあるこのキスの、二人にとっての意味合いの違いもやはり坂元脚本の光るところで、戸惑いながらも受け入れるカンナの姿がやはり本作ならでは。本作の中で1番美しいシーンだと思った。その後、若カンナに1ヶ月でプロポーズする伏線回収も合点がいくし、過去と違い、“その日”まで仲良しの二人が微笑ましい。駈が忍ばせたラブレターには、15年間のカンナへの熱い想いが懇々と綴られる(カンナの顔の絨毯模様と寝言の“眠い”も表現が大好きだ笑)。思えば駈は生きる事や死ぬことよりも大切な事がある、と語っており、自分の定めを受け入れ、むしろ15年間カンナと大切に生きる事を選んだという表現。駈が玄関で靴をトントンさせるスローのシーンからは、駈の決意が表現されていた。冒頭で着払いで届いた、つまりカンナが自分で購入した餃子は、ラストでは着払いではなくなっており、カンナが察した通り駈の最後のプレゼント。駈の運命は変えられずとも、関係性は真逆に改善し幸せに満たされたカンナのラストカットが印象的だった。 ◆関連作品 ○「花束みたいな恋をした」('21) 坂本裕二脚本作品。サブカル恋愛映画。プライムビデオレンタル可。 ○「怪物」('23) 坂本裕二脚本作品。第76回カンヌ国際映画祭脚本賞。プライムビデオ配信中。 ◆評価(2025年2月7日現在) Filmarks:★×4.2 Yahoo!検索:★×4.0 映画.com:★×4.2 引用元 https://eiga.com/movie/102255/ https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ファーストキス_1ST_KISS