
なつみ
コタローは1人暮らし
平均 3.7
本当に本当に申し訳ないのですが、序盤は、感動ポルノならぬ、「可哀想ポルノ」という言葉が、ずーっと脳裏をちらちらしていました。 「可哀想な子どもが健気に頑張る姿」 「大人を憎まない純粋無垢な子ども」 「子ども」の存在を神聖化して、感動消費の対象としているように、自分の目には映りました。 決してこの作品が悪いのではなく、自分の職業柄故であると自覚しています。 4歳児が、一人暮らしをして、生活用品を自分で揃え、火や刃物を扱う料理をして、中学生でも使わないような大人の言葉を理解し、主述整った口調で会話をし、大人の微細な心情を文章化して読み取ることができる…。 他の作品であれば、創作であると割り切れるのに、 なかなかこのコタローのハイパー設定が飲み込めなかった。 でもそれは、この作品で切実なリアリティが描かれていることの弊害だったのだと思います。 回を追うごとにモヤモヤは減り、 ああ、そうか、決して子どもを神聖化するのではなく、 普通一般に暮らしていたら、見逃してしまうであろう「子どものステルスサイン」に、気づかせてくれる作品なんだ、とスッと落ちていきました。 子どもの言葉は「言葉」だけじゃない。 目に見える行動、身なり、立ち振る舞い、全てがサインとして、発し続けられている。 コタローが両親に対してポジティブな態度しか見せないことも、子どもの純粋無垢を見せつけるのではなく、「虐待してしまう親」も決して、悪者ではない、一人の人間である、という構造を伝えるためなのかな、と思いました。 アニメとして、とても良い雰囲気にまとまっており、ちゃんとハートフルなドラマとしても見られるので、是非たくさんの人に見てほしい。 釘宮さんの声が、大人びた子どもらしさをとても良く再現して、ものすごく心に沁みます。